魔法先生ネギま!
0398話
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連射しながら、同様に魔力が通っていると思われる剣で水の精霊を切り裂く。
「アイヤー、あの炎の人、アクセル坊主アルか? それならクラスメイトとして守らない訳にはいかないアルね」
そして古菲の放った気の籠もった一撃により、雷の精霊が消し飛ぶ。
「絶対……アクセル君は絶対に守って見せるわ!」
美砂がセイレーンの瞳の効果を最大限に発揮させ、精霊達の動きが著しく阻害される。
「くそっ」
ドクンッ、ドクンッ、ドクン。
激戦と言ってもまだ生温いようなそのやり取りを、俺は自分の中で未だ収まらないままに耐えながらただ眺めているしか出来なかった。
そしてそんな俺だからこそ見つけられたのだろう。皆の意識が甲板の周囲から襲い掛かってくる精霊達に集中していた為に、人間の最大の死角である上空から襲い掛かってくる精霊達の姿を。
本来であれば人間では無いガイノイドの茶々丸や、気というものを操る古菲であるならば気がつけたかも知れないその奇襲。だが、周囲の状況に対応するのが精一杯の状況ではそれに気が付く事が出来ず、当然のように精霊の群れの中で奮闘しているグリも同様な訳で……
「さ……せるかああぁっ! 生命ノ宴!」
唯一動ける俺が何とか対応するしか無かった。ブツン、と途切れそうになる意識を気力で必死に維持しつつ竜……というよりは龍の炎獣を上空へと解き放つ。
「GYAAAAAA!」
その細長い身体をくねらせつつも、炎獣の龍は上空から襲い掛かってきた10匹以上の精霊達を噛み砕き、燃やし尽くす。
それを見て、安堵したその瞬間。本当に一瞬だけ気を抜いたその瞬間にソレは訪れた。
ドクンッ!
今までの中で最も強いその脈動。その余りの力強さに、一瞬にして俺の意識は失われそうになり……その瞬間、脳裏にレモンの悲しそうな顔が。コーネリアの怒ったような顔が。マリューの心配そうな顔が浮かんでは消えていく。
そしてあやか、千鶴、円、美砂の4人と麻帆良で過ごした騒がしくも賑やかな日々。まるで走馬燈のように思い出が脳裏を過ぎり……最後に再び眼に涙を湛えたレモンの姿が現れ、消えていく。
そのレモンの姿に、俺は強く念じる。ひたすら強く念じ続ける。
俺は死ねない。こんな所では絶対に死ねない。必ずホワイトスターに生きて帰るのだから!
強く、強く、ただひたすらに強く念じ続け……俺の意識は闇へと溶けていくのだった。
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