雪解けの日
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は楽しそうにこちらを見ていて、俺が苦笑いを浮かべると微笑みを返してきた
そうして仲良く落下していると、崩れて天井から落ちてくる氷の礫を器用にかわしながらトンキーが飛んできて、ピタリと俺達のいる足場の近く、五メートルほど離れた位置でホバリング
「有り難いな」
軽く助走をつけて跳び、トンキーの背中に着地する。そして振り返るとシノン、リーファ、ユウキの順番で着地を補助する
「今度はできたね。ありがとう、リンくん」
行きのときのことをまだ引っ張っていたらしい
アスナも綺麗にトンキーの背中に着地。クラインがモタモタとしているのにいらついてキリトが蹴り飛ばし、トンキーの鼻に回収されたが問題はない
最後のキリトだが、エクスキャリバーとトンキーの背中を交互に見ていてためらっている
おそらくはキャリバーが重過ぎるために跳べないことを悟って悩んでいるんだろうが……
結局キリトはキャリバーを投げ捨てると、こちらに向かって跳んだ
「……また、いつか取りにいけるわよ」
「わたしがバッチリ座標固定します!」
「……ああ、そうだな。ニブルヘイムのどこかで、きっと待っててくれるさ」
キリトが微妙に浮かない顔をしているのを見てアスナとユイが慰めに向かい、キリトも納得して頷いた
しかし
「リン、あれ、固定できる?」
「問題ない。一瞬で大丈夫か?」
先程足場に垂らしてあった鋼糸の一部をキャリバーに絡ませてある
加速度とキャリバーの重さから考えると一瞬動きを止めるだけで精一杯だが、シノンなら問題ないだろう
一応問うたものの力強く頷いた
シノンは弓を背中から抜くと矢をつがえ、素早く呪文を詠唱し、矢に白い光を纏わせる
弓使いのジョブ呪文、リトリーブ・アロー
矢に命中力の低下と引き換えに伸縮性の糸を付与し、矢全体に粘着力を持たせる魔法だ
「やはり持たないか」
鋼糸をピンと張り、キャリバーの動きを止める
しかし、重量と速さの二乗に比例する運動エネルギーを削り切ることはできず、ぶつりという音とともにちぎれる
だが、その一瞬だけで十分だったのだ
止まる瞬間を狙ったかのように、シノンの放った矢はキャリバーに着弾して引き寄せ始めた
「よっと……重いね」
キャリバーを手に取ったシノンは少しよろめいてそんな感想を漏らす
「さすがだな、シノン」
「リンのサポートがあったからだよ」
自分を卑下するでもなく、純粋な照れ隠しらしく、にこやかに笑っている
「キリト、さっさと受け取れよ」
「お、おう……」
キリトはキャリバーを受け取ってもまだ呆然としている
この沈黙はウルズたち三姉妹が顕れるまで続くのだった
「ちなみにキリト。
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