暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜ニ人目の双剣使い〜
雪解けの日
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?北欧神話にそういう話があったしな」

興奮しているクラインから一歩離れる

「お、教えてくれてもよかったじゃねぇか!!」

「別に教えなくても損はなかっただろう?」

「俺様の心に多大なダメージが入っただろ!」

「知らん。まあ、そうだな……よいピエロ具合だった」

ふっ、と俺が笑ってやるとクラインはその場で崩れ落ちた

そんな俺とクラインの様子を見ていたシノンとユウキとリーファ、キリトにアスナがヒソヒソと話し始める

「……トドメを刺したね」

「うわ、えげついな……」

「まあ、そういうところも好きなんだけどね」

「えっ……?」

外野、うるさいぞ
あとシノン。その台詞はマゾだと勘違いされそうだからやめた方がいいと思う

「ほら、クライン。いつまでも崩れ落ちてないでさっさと行くぞ。まだクエスト中だ。それに、俺の知るクラインは恋破れてもすぐに復活するはずだが?」

言い変えれば今までの恋はすべて失敗したってことである

「ククク……はっはっはっは! 確かにその通りだ! このクライン様は何度だって甦るぅ! なぜならそこに素敵な女性がいるからだァ!!」

甦ったはいいが壊れたか
ちなみに全員が引いた


「とりあえずクエストを終わらせるか」

拳を宙に突き上げて決意を新たにしているクラインを視界から外す

その時だった

重低音とともに床や壁が波打ち始めたのは

「じ、地震!?」

「いえ、違います!スリュムヘイムが徐々に地上へ向かって上昇しています!」

シノンがしっぽをピンと張りながら転びそうになったのを支えながら辺りを見渡す

「ユイ、キャリバーの座標へと続く道はどこにある?」

俺の言葉にユイは即座に答え、マップ情報にアクセス。そして辺りに響き渡る重低音に負けないように叫んだ

「玉座の後ろに下り階段があります! そしてそこからキャリバーの刺さっている場所に行けます!」

「よし、全員走れ」

全員でスリュムの身体相応に巨大な玉座の左脇を駆け抜けて、後ろにあった薄暗い下り螺旋階段を落ちるかのように走り抜ける

長い長い階段も終わり、俺達は開けた空間に到着した
そして、階段とは反対側の壁際に刺さる流麗な剣が見える

「あれが……っ!」

「キリト、抜いてこい」

このメンバーの中で最も筋力の値が高いキリトの背中を蹴り飛ばす
なんにせよ、時間がないのだ
リーファの持つメダリオンに点る明かりは僅かに一つ。しかも点滅を始めている

空中をかなりの速さで飛んだキリトは空中で体勢を立て直すとキャリバーのすぐ前に綺麗に着地

そして、しっかりとエクスキャリバーの柄を握り締めると両足を踏ん張って力を入れはじめた


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