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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第150話】
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うもごもごと、上手く言葉に出せないのかごもる篠ノ之。


「ヒルト、箒。話は後だ。――まだ終わってないからな」


 空気も読まず、福音へと視線を向ける一夏に対して全員が言う――。


「「「お前が言うな!!」」」

「……ひでぇ」


 そんな一夏の一言が、虚しく空へと消えていく。


「……とにかく、福音を止めないとな。――一応全員揃ったし、更識さんがいないのが残念だが」

「え?更識って誰だ?」

「…………」


 そんな感じに、一夏は俺に訊いてきた。

 一応専用機持ってる代表候補生ぐらいは把握しといた方がいい気がするんだが。


「……自分で調べろ。てか把握ぐらいしとけよ、馬鹿」

「ひでぇ……」


 そんなやり取りを続けていると、頭に声が響いてくる。


『ヒルト、聞こえる?』

『ん?――あぁ、聞こえるぞ【ムラクモ】』


 声の主はムラクモだった。

 プライベート・チャネル通信による語りかけの為、皆には聞こえていない。


『……福音が苦しそう。――今回の暴走、どうも強制的に引き起こされたものみたい』

『強制的に?――誰かが裏で糸を引いてるのか?』

『……うん。でも、誰がやったのかが解らなくて……ごめんなさい』

『謝る必要はないさ。俺の方でも調べてみるし――それよりも、現状、あいつを止める方法って機能停止まで追い込まないといけないのか?』

『……うん』


 寂しくも悲しい様な、そんなムラクモの声が届き――。


『……何とか福音も含めて助けたいが……。なあ、機能停止寸前まで追い込んでコア・ネットワーク経由で説得、そのまま暴走停止させること出来ないか?』

『……わかった。やってみるよ』


 返事をしたムラクモからの言葉が途切れると共に、猛り狂う様な機械音声が辺り一帯に轟く――。

 まるで、福音が本当に苦しんでいるみたいに、今の俺の耳にはそう聴こえた。


 刹那、四枚の翼が発光――光の雨が襲い掛かってきた。


「――そう何度も食らうかよ!『雪羅』!」


 高々と響き渡る一夏の声に呼応し、左腕が変形し始め、そこから光の膜が広がり福音の粒子光弾を打ち消していく。


「これは――成る程、【零落白夜の盾】って訳か――だがエネルギー消費が大きいだろ?何度も使える代物では無――」

「フッ。有坂、その為に私がいるのだ」


 紅椿の展開装甲が開き、赤い光と共に黄金の粒子が溢れ出す。

 そんな篠ノ之の手が一夏の白式へと触れる。

 軽く発光すると共に、雄々しく零落白夜の盾は更なる光を放ち始めた。


「私の紅椿の単一仕様。【絢爛舞踏】が成せる技だ。こ
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