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皇太子殿下はご機嫌ななめ
第20話 「麻薬撲滅宣言」
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しなかったつけが出てきてやがる。まったく。大体だな、各星ごとに、自己完結できてても、おかしくないんだ。
 泣くぞ。泣いていいかっ!!

「忙しいんですから、泣いてる暇なんかないです!!」
「泣かねえから、はやく書類持ってこいっ」

 アンネローゼがてんぱってる。
 他の連中も似たようなもんだ。ブラウンシュヴァイクが、頭にねじり鉢巻してる状況っていうのも凄いもんがある。良いんだか悪いんだか、俺が認めないと、計画自体がスタートしないっていう状況。これがトップダウンの限界なんだろうな。
 かといって、良きに計らえって訳にはいかねえしな。
 俺の理想の自堕落な酒池肉林はどこへいったぁ〜。

「ヴァルハラにでも、行ったんじゃないですかぁ〜」
「はい。追加です」
「あいよっ」

 眼の前に積まれる書類の山。
 各星に一枚としても、辺境だけで、二千枚にもなる。

「貴族が税金が高いと文句を言って来てます」
「三度の飯を二度にしとけ。それから平民の税金は上げんなよ」

 元々平民の税金を高く設定しすぎなんだ。その状況では、物が買えないだろうがっ。
 物が買えなきゃ、経済が回らねえんだよ。貴族だけが買っててもしょうがねえ。現状では豊作貧乏になってるとこがあるんだ。
 人が少ない。
 じつはそれが最大の問題だ。
 辺境じゃあなぁ〜。惑星一個に二百万人ぐらいしか住んでねえとこもあるんだ。
 二百万人だぞ。どこぞの地方都市よりも少ないじゃねえか。
 それで一回会戦すると、二十万人から三十万人ぐらい死ぬ。
 パイが小さくなりすぎだ。
 フェザーンを手に入れたのも、それが理由だ。
 帝国産の食い物を同盟側に売りつけてやるぜ。なんせワインやシャンパンなんかの酒類は、こっちの方は品質が良いんだからな。意外な事実。
 それを利用しないでどうするよ。

「燃える商魂。売り上げ向上。それが私の生きる道」
「殿下。いつからフェザーン商人になったのですか?」
「うっせえ。所得倍増計画じゃ」

 宰相のやるこっちゃねえってことぐらいわかっとるわー。
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