第20話 「麻薬撲滅宣言」
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てやるから、好きにしろと言っておけ」
「本当にいいんですか?」
「構わん。ただし今後、同盟は麻薬組織と結託し、帝国側に麻薬を蔓延させようとしている事になる。そんな連中を認めてやる必要はない。ないが、同盟が自ら麻薬組織です、と。宣言するんだ。それ自体は認めてやろうではないか。関係を改善する必要はないがな」
どうした?
顔色が悪いぞ。何か悪いものでも食ったか?
「あ、さ、宰相閣下……貴方は自由惑星同盟の掲げる看板を、叩き落すおつもりですか?」
「俺は民主共和制そのものは、否定しないが、麻薬組織は否定する。それだけだ」
利用できるものは何でも使いますよぉ〜。
こっちが回復するまで、連中にはガタガタになっててもらおう。
さあ〜今のうちに、帝国の改革を進めるぞぉ〜。
「と、いう建前ですな」
「ま、そういうとこだ」
■宰相府 アンネローゼ・フォン・ミューゼル■
帝国全土に宰相閣下の麻薬撲滅宣言が発せられました。
フェザーンの先代自治領主と叛徒たちが、帝国に麻薬を蔓延させようとしてきたと言っています。サイオキシン麻薬の騒動から、まだ一年も経っていません。
あの時の恐怖が甦ってきたみたいです。
オーディンでも、地球教徒のアジトが一斉捜査され、銃撃戦になったそうです。
さすがは装甲擲弾兵です。立てこもっていた地球教徒たちを有無を言わせず、押し込んでいきました。テレビやニュースでも銃撃戦の模様が映し出され、この時ほど装甲擲弾兵の姿が頼もしく思えた事はありません。
これによって地球教の目的が明らかになり、オーディンでも地球教に対する反発が強くなってきました。
「怖いのう」
リヒテンラーデ候がそう漏らします。
わたしも同じ事を思っていたら、アレクシアさんも顔色が悪いです。
「わしが怖いのは、皇太子殿下よ。これほどまでに、恐ろしいお方だとは思わなんだ」
「殿下が?」
「そうじゃ。皇太子殿下は、叛徒どもをお前らは共和主義者ではなく、麻薬密売人だと言い放ったのだ。民主共和制という看板を地に叩きつけられたのだ」
「それって……?」
「今後やつらは何を掲げて戦うというのか?」
リヒテンラーデ候はそう言って、身を震わしました。
「では、今のうちに改革を進めるとするか、のう。忙しいしな」
「書類も溜まってますしねぇ」
実のところ、宰相閣下の宣言を宰相府の皆はさほど、信じておりません。というより、殿下から知らされていたのです。こうやるからねって。
ブラウンシュヴァイク公やリッテンハイム候などは、ため息を吐いておりました。
「まったく、捕虜交換もあるというのに……」
「十万人規模なのだぞ」
「名簿だけでもてんてこ舞いだ」
フェザーンからもた
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