暁 〜小説投稿サイト〜
とある碧空の暴風族(ストームライダー)
時宮遭遇
Trick49_だから俺は悪くない
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かる事だったはずだ。
ここに到着する直前、敵の人数を魂感知で確認した。
その人数には、この男は含まれていなかった。

つまり魂感知の範囲外から、ここまで数秒間できたという事だ。

このレベルの移動が出来るのは能力者や魔術師を除けば・・・本物しかいない。
そして次に出された技、(トリック)も“本物”の“A・T使い(ライダー)”にしか出せないものだった。


  Trick - Implosion Gun -


風の面を操るのではなく、風の面を破壊することで
驚異的な威力を出す。それは風を操作しているが翼の道ではない。

先程の空気の壁と同じく、固くて力技がメインの道。

そして“王の8本道”(ロード・オブ・エイト)には数えられていない、
しかし重力子(グラビティ・チルドレン)が走っていた道。

風系統攻撃特化型の道。

「風爆の道(ゲイル・ロード)だと!!?」

防御と攻撃、立て続けに繰り出された風爆の道を防げたのは、信乃の染み込んだ戦闘経験の賜物だった。

反射的に両腕を前に突き出す。繰り出されるのは奴と同じく空気の壁。


翼の道(ウィング・ロード)
  Trick - Feather Dome -


しかし、辛うじて出したのは同じ風系統でも翼の道。

攻撃特化型の攻撃と、汎用型の防御。

信乃に勝てる道理はない。

「ぐぁ!!」

せめてもの足掻きに、自分の壁を敵の攻撃の下へ潜らせて方向を上へずらす。
それで後ろにいる美雪と白井への影響は最小限に抑えられた。

だが防御の起点となった信乃は、後ろの壁まで一気に吹き飛ばされてしまった。

「がっぁ! ゲホっ」

食道、または気管から溢れた鉄の味が口に広がる。

「くそったれ・・・」

『ほう、なかなかやるものだな。罪口の道具は』

スピーカーからは感心したような時宮の声が聞こえた。

『だが、ここまでのようだ』

「せやな。この体、(トリック)2回で潰れてもうた。
 ほな、あとはよろしゅうな。 ゲボォ!!」

敵のA・T使いから初めての発言。それと同時に相手のA・Tが粉々に壊れた。
そして攻撃をした相手も全身が痙攣して倒れた。
目、鼻、口、耳からは血が流れ始め、数秒間の痙攣ののちに動かなくなった。

『ふむ、中々良い見せものだった。誉めて使わす』

時宮は倒れた奴がいなかったように、ただ面白いものが見れただけを感想として言った。

『これで今回の目的は全て果たした。今日はここまでのようだ。それではま「させるか」』

最後の言葉を繰り出す前に、信乃はもう一度足掻いた。
倒れた体を起こし、高速移動で時宮の傀儡に辿りつく。

そして瞬時に男の胸ポケットから携
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