第二章
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第二章
「そこに僕の探し物があるんだよね」
「はい」
男の子の言葉にこくりと頷いて答える。
「その通りです」
「そう。だったら」
彼の言葉を受けて確かな顔で頷いた男の子だった。
「御願いするよ。上に行きたい」
「宜しいのですね」
「うん、お空に行きたい」
また言う男の子だった。
「絶対に。それでいいよね」
「はい。それではです」
男の子の言葉を確かに聞いて彼はまたコートの左ポケットに手を入れた。すると今度そこから出て来たカードは。
月のカードだった。先程の死神のカードと同じくタロットのカードだ。それが出て来たのである。
それを顔の前にかざす。カードに描かれているその月の姿を見つつ何かを念じた様であった。するとその顔の左半分を覆っていた髪があがった。
そこから黄色く輝く目が出て来た。そしてその目の光が増し眩い光を発したかと思うと。
男の子の前にあるものが出て来た。それは三日月であった。
月には顔も描かれている。あの魔道書等に描かれている三日月だ。それが出て来たのである。
「お月様?」
「それに乗りなさい」
彼は男の子に対して告げた。
「それに乗ってです」
「上にあがるの?」
「その通りです。それで上に行くのです」
まさにその通りだと話すのだった。
「お空にです」
「うん。じゃあ」
「行かれるべき場所は」
それについても話す彼だった。
「満月にです。そこに行きなさい」
「わかったよ。それじゃあ」
男の子は彼の言葉に従いその三日月の上に跨った。すると月は自然に空にある満月のところまで来た。するとそこから出て来たのは。
「高司、来たんだね」
「やっと来たのね」
優しい顔をした少し年配の男と女が満月から出て来たのだった。
「待ってたんだよ」
「何処にいたのかと思ってたのよ」
満月から出て来た二人はその白い満月を背にして男の子に言う。男の子も三日月から降りて二人のところに来て言うのだった。
「お父さん、お母さん」
「探したよ、本当に」
「何処に行ったのかって」
「僕もだったんだよ」
二人の側まで来てその小さな両手を二人を囲む様にして抱き締めての言葉であった。
「ずっと探してたんだよ」
「それでやっと会えたんだね」
「こうして」
「うん。それはね」
ここで彼の名前を言おうとする。するとであった。彼はもう男の子達のところに来ていた。三日月のすぐ側まで来てそこに立っているのであった。
「この人が僕をここまで連れて来てくれたんだよ」
「貴方がですか」
「この子を」
「ええ」
男の子の両親に対して微笑んで頷いてみせた。
「そうです」
「それは。どうも有り難うございます」
「おかげでまた一緒になることができました」
二人は満
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