A’s編
バイバイ
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は変わった・・・」
アイツの言葉を最後に、オレの意識は闇に飲み込まれた。
「あら、大吾・・・いえ、陽龍、久しぶりね」
頭の中に声が響く。
「・・・ああ、久しぶりだな、エリザ」
目を開けると、そこは真っ白な世界。
彼女曰く、天界と呼ばれる場所。
「ここが天界ってことをわかっているあたり、もう紗羅に会って、記憶の封印を解いたのね」
「ああ。だから、思い出したさ。オレ自身のことも、紗羅のことも、アイツのことも」
「そう。なら、はやく戻りなさい」
エリザはそう言い、オレの前に扉を作る。
見たことのない扉だったが、たぶんそれは元の世界。。。浅賀陽龍の世界へと続く扉だろう。
そう感じた。
「でも、その前に・・・なあ、いるんだろう?」
オレはエリザの方を向き・・・いや、エリザよりも奥にいる彼女に向かって話しかける。
「・・・バレてたんだ?」
「オレを誰だと思ってんだよ、紗羅」
エリザの影から現れたのは、先ほど記憶の中で死んでいったオレの大切な家族、紗羅だった。
「天界にいないと、記憶の封印を解くことなんかできねぇだろ。なにせ、この封印は神様が作ったんだぜ?」
「さすが兄さんだね。で、わたしになんのようかな?急がないとダメでしょう?」
紗羅はそう言って微笑む。
「返事、してなかったから」
「返事・・・?」
「あの時からずっと言いたかったこと。・・・紗羅、今までずっと傍にいてくれてありがとう。大好きだ」
死ぬ寸前、紗羅が言った「大好き」の言葉。
オレがずっと聞きたくて、返事がしたかった言葉。
「っ・・・!わたしも・・・わたしも、大好き、だよっ!だから兄さん、バイバイ・・・」
「バイバイ。・・・またな、紗羅」
オレはそう言い残し、扉を開けた。
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