A’s編
バイバイ
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あの事件からもう幾年もの月日がたった。
オレは生きる意味を無くしながらも生き続け、なんとか高校を卒業。
嫌な思い出も、楽しい思い出も詰まったあの家をオレは出て、東京で一人暮らし中。
仕事をする気力もないオレは毎日をバイトで過ごしていた。
親友だった南條や東は今でもたまに心配や遊びのメールを送ってくれる。
そんな中、オレは何故かあの家に戻ってきた。
特に理由はなかったが、なぜか行かなければいけない気がしたから。
オレの予想はあたり、ポストに手紙が入っていた。
宛先のない、オレに向けた手紙。
「深夜十二時、○○県にある九十九村で待つ。あの日の続きをしよう」
手紙にはそう書かれていた。
あの日の続き。
その言葉で、オレは誰から送られてきた手紙なのかを理解し、すぐさま行くことを決めた。
「ひっさしぶりー!」
「ああ、久しぶりだな、連続通り魔殺人犯」
約束通りの深夜十二時。
オレは地図にも書かれないほどに寂れた村にいた。
「そーんな連れない言葉で返さないでよー。気軽に連続通り魔殺人犯の殺くんって呼んでね♪」
「誰が呼ぶか。ってか、こんな雑談なんかせず、続き、しようぜ」
オレはアイツを向き、言う。
「あはっ♪なになにー、そんなにボクに殺されるのが楽しみー?嬉しいなぁ。あ、ところで知ってる?ボクが今まで突入した家の数」
「んなん知るわけねぇだろ。・・・でも、オレの家以来どこにも入ってないらしいな」
オレの家が最後の被害者。
それ以来ずっとコイツは姿を晦ましていた。
「おー、それは知ってたんだ。正解は、キミの家で九十九。この村と同じ数」
「あっそ。なに、あんた、ここに思い入れでもあんの?」
「ある。ボクはココで生まれ育った。そして、ここにボクの家族、親友、好きだった人、そして最後の一人が眠っている」
「最後の、一人・・・」
オレと同じように家族を殺され、自分だけ生き残された人たち。
「そう。一番最初に殺したのはボクの親友だった。次に家族、村の人たちを皆殺しにした。そこから適当に彷徨って、最後に辿りついた。そこでもボクはひとりを残して皆殺しにした。最後にキミを殺して埋め、ボクは死ぬ。これですべては終わる」
「なら、早く殺せ。もうオレがこの世界にいる意味はない。・・・が、最後にひとつだけ教えて欲しい。お前が両親からもらった名前はなんだ?」
「・・・そんなの、もう捨てちゃったよ。でも、特別なキミに、最後の一人のキミには、教えてあげる。ボクがもらった名前を。それは・・・」
「これが、ボクの名前だよ。それじゃ、バイバイ、三島大吾くん♪」
そしてオレはそっと目を閉じる。
ドスっと、オレの胸に異物が突き刺さる。
「ああ、これで歴史
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