妖精女王と海の閃光
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上に上がった帽子のお蔭で、ティアの顔が普段よりはっきり見える。
その群青色の瞳は感情が一切籠っていなかった。
「な、何だこいつァ!」
「確かに斬ったぞ!?」
「チッ!ならこれでどうだ!」
今度は魔法が飛んでくる。
ティアはその魔法をゆっくり眺め・・・直撃した。
そう、直撃した・・・はずなのだ。
「・・・え?」
ルーシィは目を見開いた。
直撃したはずの魔法は、ティアの後ろの壁に焦げた跡を創っている。
つまり、確実にティアに当たったはずなのだ。
だが当の本人はさっきと同じように無傷で立っている。
「ど、どういう事?」
「あれがティアの魔法だ・・・いや、正確には魔法の一部、と言ったところか」
「あい!」
エルザの説明にも訳が解っていないルーシィ。
「な、何だこの妖精はぁっ!」
「攻撃が当たらねぇ!」
「いや、当たってはいるんだ!」
相手も何事かと慌てている。
そりゃそうだろう。斬りつけたはずの相手が無傷で立っているのだ。
驚かない訳が無い。
「私は如何なる攻撃も如何なる痛みも感じないわ。強大な魔法も、私の前では無意味で無価値」
「えぇっ!?」
「痛みを感じない身体だと!?」
これにはルーシィだけではなく、鉄の森の面々も驚きを隠せない。
「さて・・・お遊びはここまで。妖精の尻尾を侮辱したんだもの・・・どうなっても知らないわ」
ティアの瞳が強く輝く。
鐘の音が響き、天井に小さな蒼い魔法陣が展開した。
それはどんどん大きくなっていく。
「ティアの魔法はルーやアルカと同じ元素魔法の一種なんだ。でも回復と補助が出来るルーや攻撃と防御の両方が出来るアルカと違って、ただ『攻撃する事』だけに特化したティアの魔法・・・その名は大海!」
ハッピーが説明している間にも、魔法陣は天井を埋め尽くすほどに大きくなっていた。
蒼く、かなり高度な魔法陣は広がる度に鐘の音を響かせる。
「アクエリアス!?あたしの星霊・・・」
「元素魔法は星霊の名前と同じなんだ」
「へぇ〜・・・」
魔法陣から大きな鐘の音が響いた。
大きさは天井を埋め尽くすほど。ルーシィ達の上にはない。
ティアは両腕を広げ、口を開いた。
「天からの裁きを受けよ!大海針雨!」
ティアが吼える。
すると魔法陣が青く光り出し、無数の水の針が雨のように降ってきた。
水と埃が舞い、視界が悪くなる。
ようやく全てが晴れた時、そこにはビアードとカラッカ以外立っている人はいなかった。
全員ティアの攻撃にやられたのだ。
「こんのヤロォ!俺
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