妖精女王と海の閃光
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次馬共が集まってる。いや・・・音量を上げれば街中に響くかな・・・死のメロディが」
「大量無差別殺人だと!?」
「これは粛清なのだ。権利を奪われた者の存在を知らずに権利を掲げ生活を保全している愚か者へのな」
エリゴールが飛ぶ。
「この不公平な世界を知らずのに生きるのは罪だ。よって死神が罰を・・・」
「愚者はそっちよ」
エリゴールが完璧に言い終わる前に、ティアがよく通る声で言い放つ。
全員の視線がティアに向く。
「崩壊せよ」
そう呟いてティアが指を鳴らす。
すると、遠くから爆発音に似た音が響いた。
だが火薬のような臭いはしない。
その爆発音は徐々に近づいて来ている。
「っ!」
エリゴールが何かを察知してスピーカーから離れる。
次の瞬間、スピーカーが勢いよく崩れ落ちた。
「何のつもりだ?妖精が」
「アンタ達がスピーカーを使って呪歌を放送するというから、スピーカーを破壊しただけよ」
さらっと問題発言をするティア。
「さぁ、とっとと帰りなさいな。アンタ達の計画は失敗よ」
「あ?」
「だってそうでしょう?スピーカーは1つ残らず破壊したし、この駅で呪歌を放送するのは不可能。アンタ達の計画は失敗じゃない」
帽子の下から群青色の瞳が覗く。
「帰らないの?」
「ハッ!ずいぶんバカな妖精だな。駅には拡声器もあるんだぜ」
「バカはそっちよ」
「何?」
「拡声器を使うという事は、笛を吹いていない別の誰かが拡声器を持つという事よ。笛を吹いている人間は両手で笛を持っているからね。そうしたら拡声器を持っている人もその音色で死んでしまう。自分の命を犠牲にしてまでそんな事をするバカげた人間なんて、この世にいないと思うけど」
たらり、とエリゴールの頬に汗が流れる。
ティアは追い打ちをかける様に、意地悪く微笑んだ。
「それとも・・・アンタ達の狙いは、ここじゃない?」
これがこのような状況じゃなければ、大勢の男を一瞬でKOする魅惑的な笑みだっただろう。
だが、状況が状況だからか、ティアの目は全く笑っていなかった。
「ええい!うるせぇ妖精だ!闇の時代を見る前にあの世へ行けぇっ!」
カゲヤマが左手を地面につける。
すると、その手から巨大な手に似た影がティアに向かって伸びていった。
慌てず騒がず悲鳴も上げず、ティアは構える。
その時。
「やっぱりお前かぁあぁぁあっ!」
乗り物酔いから復活したナツが右の拳に炎を纏い、影を切り裂いた。
「てめ・・・」
列車内で面識のあるカゲヤマが憎々しげに呟く。
「大丈夫か?ティア」
「あれくらい自力でどうにか出来たわ」
「可愛くねーなー、
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