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もしもこんなチート能力を手に入れたら・・・多分後悔するんじゃね?
とある応龍の怠惰目録・H
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の子が近々ヤケクソ起こして能力暴走を起こそうとしてるんだ』
「止めろと?」
『いや、劇物を見つけてケアしてほしい』

・・・どぅーゆーこと?だってヤケクソ起こすんなら止めてやるのが普通じゃない?それにあちらも俺、若しくは俺以外のナカーマを探してんだろ?ド派手にやるなら嫌でも見つかるだろうに。

『所がそうはいかないんだなー』

司書は事務机の書類を全部払いのけてDON!とでかい本の1ページを指さした。何やら書いてあるので読めという事か。
どれどれ・・・ふむふむ・・・なるほど・・・ホホー!

「さっぱりわからんから説明しろ」
『君ねぇ・・・まぁいいや。ここは意外とアフターケアのしっかりしている部署(?)でね。この空間は某アニメで言う「嘘のない世界」にちょっと似た場所なんだ』

この空間では自己の存在を認識しやすい、嘘の概念が無い、精神が安定しやすくなる、真実を受け入れやすくなるといった知識や認識方面への法則性が働いている。だからこそ俺を含む転生者たちは自分の死を最低限のショックで受け入れ、この司書の言葉を疑わない。それは司書自身にも当てはまるらしい。そういった説明がそのでかい本に書いてあったようだ。

『でも偶にこの空間に対する抵抗を無意識に試みる劇物がいる。キミも実はその一人だよ』
「俺が?何で?」
『ここに来たとき寝不足みたいな倦怠感を感じたでしょ?そして苛立ちから口数が多くなった・・・それは君がこの空間の法則を拒絶しようとした証なのさ。そして例の劇物くんはそれが著しく強かった』
「怪物君みたいな言い方すんなよ・・・」
『いや君ら怪物みたいなもんでしょ。自分のスペック分かってて言ってる?国際警察機構のA級エキスパートを倒せるとか人外の証だよ?』
「マジかよ!言われてみりゃそうだった・・・こいつぁうっかりだ!」
「「HAHAHAHAHA!!」」

閑話休題。
劇物君は自分が死んだのも受け入れない。チート能力も存在を信じない。挙句の果てに司書の存在もフラスコ内に入ってから否定してしまったらしい。極めつけが無意識に能力を発動させているのにそのことに気付いていない・・・そして能力の内容を司書の存在と一緒に忘れているのが最大の問題とのこと。

『劇物・・・仮称Aとしようか。Aの能力は「理想を現実に変える能力」・・・いかにもな力だね。選んだ理由は「自分の現実を返してほしい」とか言う言葉を聞いてそうなった』
「わー、その手があったか・・・俺もそれにすりゃあ良かった」
『何言ってるんだい。デメリットを考えると君の龍が劣っているとは言い難いものだよ』
「・・・デメリットか。規模がデカすぎて使えないとか?」
『いいや違う。デメリットはその名もずばり「生体には使用できない」、そしてもう一つが真のデメリットだよ』


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