第九十五話
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電撃作戦で桜を助けに行ったので、日付は跨いだが、まだ日の出までは遠い、そんな時間に再び教会から魔術師達への召集の合図が上がる。
当然盗み見る為にサーチャーを放ったのだが…
語られたのは俺達の討伐依頼だ。
なるほど、教会はどうしてか俺達の存在に気が付き、そしてイレギュラーである俺達を消そうと動くようだ。
確かに昨日ソラがバーサーカーと交戦したようだが、それを誰かに見られていたのだろう。
方法はキャスター討伐と一緒で、餌は追加令呪だ。
「教会の敷いたルールを守るマスターばかりじゃないだろうけれど、狙われるのは確実だ。分身を付ける事は可能だが、魔力は半分になってしまうから、当然戦闘では不安が残るな」
冬木市から逃げてしまっても良い。だが、まだイリヤは踏ん切りがつかない。
まぁ仕方ないか。
「こっちは身を守っただけだってのに…とは言え、聖杯を掴む権利がある以上ほっとけないか。…でも、今回の聖杯も汚れている可能性が高いのよね」
過去だからと言う理由だけではなく、キャスターの召喚がイレギュラーであり、反英霊である可能性がある。そう考えた場合、聖杯に何かしらの欠陥がると考えるのが普通だ。
通常、この聖杯戦争は清純な英霊が召喚されるのだ。触媒もなく悪鬼を呼び寄せるなど、本来なら有り得ない。
「しかし、戦力増強は必要か…チャンピオン、少し付き合ってくれない?思いついたことがあるの」
「また面倒事か…」
「そうだけど、私はもうこの聖杯戦争に関わるって決めたわ。お父様の事もあるしね。だったら自分を守ってくれるサーヴァントは必要だと思わない?」
思うけれど、不可能だ。意味が分からない。
「だいたいリンは令呪すらないじゃない。令呪の無い状態ではぐれサーヴァントとすら契約できないわ。それはリンなら分かっているでしょう」
「ええ。でも、私の体にはまだ令呪の残滓くらいならあるの。だったらそこに新しい令呪を他から足せばいいのよ」
は?
何処かへ向かおうとする凛を分身して現れたソラに任せようとした所、俺に着いてきてもらいたいらしい。
仕方が無いのでソラにはイリヤといまだ気を失っている桜の警護を頼み俺達は夜の街へと繰り出した。
向かった先はなんと冬木教会。
監督役が居るはずのそこに、堂々と正面から凛は入って行った。
「おや、こんな時間に教会を訪れるとは、何か迷いごとがおありかな」
人を安心させるトーンの声ですでに余程の歳だろうに腰の曲がらない神父は突然の来客である俺達へなんでもない事のように問いかけた。
「はい。実は神父様、私達には全く謂れの無いことで今責め苦を受けていて、主に祈りを捧げてく、こんな時間に訪問してしまった事をお詫びしますわ」
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