第九十五話
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乗り込む訳にも行かずに手をこまねいている。
聖杯戦争が進展したのは日がそろそろ沈もうかと言う時だ。
突然巨大な魔力の波動が駆け巡り、その強力さに魔術師達は皆目を見張った。
サーヴァントによる魔力行使であるとあたりをつけたセイバーとアイリスフィールは直ぐに車で発生源へと向かう。まぁ聖杯戦争参加者なら確認に行かねばなるまい。
舞弥も車を駆りどこかへ消えていった。
残された俺達はと言うと…
「私は桜を連れてお父様を探すわ。幾らなんでもこれだけの異常に引きこもっている事は無いでしょうから。えと…チャンピオン…は二人居るんだったわね…」
「ソラよ」
「ありがとう。ソラは私と一緒に来てくれる?」
一瞬俺に視線を寄越したソラに頷くと、凛はソラと桜を伴って衛宮邸を出て行った。
「俺達はどうする?」
「わたし達はお母様とセイバーを追いましょう。ちょっとやりたい事があるの。それにはサーヴァントの近くじゃないと」
「了解」
俺はイリヤを抱っこして夜の闇を飛んでいく。
飛ぶ事十分ほど。眼下に見える未音川に巨大ななにかがうねっていた。
「アレは何っ!?」
イリヤが絶叫する。それも仕方が無い。
その生き物はとても醜悪で、恐ろしい様相をしていた。
イカかタコか…その辺りの海洋生物のような触手、体表を覆うように幾つもの目が付いていて、それらが獲物をさがしてギョロリと蠢いている。
流石に見た目に反して食ったら美味しいとかは無いだろうなぁ…
「一般人には見つからないようにって言うルールをあいつらは知らないのかしら?」
「教会の神父の話を盗み聞きした感じだとキャスターはその辺りに頓着しないようだ」
だから今もキャスターは人目も気にせずこんな川の真ん中に巨大な獣魔を召喚しているのだろう。川岸には人だかりが出来始めている。目撃情報を隠蔽するのは難しいだろうなぁ。
「大変。…チャンピオン、アテナの石化の魔眼ならあいつを石化出来る?」
「どうだろうか。見た所あの怪物の再生能力は無尽蔵と言っても良い」
眼下でセイバーとライダーが海魔を切り刻んでいるが、問題なく再生しているし、その速度もかなり速い。
「再生速度を上回る速度で石化させれば行けるだろうけど。出来なければその部分だけを切り離せば再生するだろうね」
ちょっと厳しいんじゃないかなと答える。確率は五分五分程だろうから試してみても良いけれど。
「そう。それじゃ、あいつを人目から隠す事は?えっと、何処か別の場所に転移させるとか」
「出来なくは無いだろうけれど、相応の魔力を使う。しかし、それには奴の動きを封じ込めなければ成らないが、でかすぎるし、触手による攻撃が意外と厄介そう」
伸
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