第九十五話
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凛は魔術師としては欲しいのかもしれないが、今は聖杯云々よりも桜の事を第一としている。単身ならば聖杯をとりに行けるだろうが、桜がいては難しい。凛も今回の聖杯は諦めるだろう。
「どう?私の提案の返答は?」
イリヤは凛と二三話すとアイリスフィールに視線を向けた。
「その提案を呑むわ」
「そう。ありがとう。それじゃ、アリア、中を案内してくれる?私日本家屋なんて初めてだから少し興奮しているのよ。折角目の前まで来て帰るなんてもったいないわ」
「それが本音ですかっ」
セイバーが呆れたように剣を下げるが、アイリスフィールのそれは場の空気を軟化させるための冗談だろう。
凛と桜が居る手前、アイリスフィールたちとは最初はギスギスしていたのだが、昼食を食べる頃には軟化した。ただ、お互いに警戒は解かない。イレギュラーな俺達など警戒しすぎる事は無いだろう。
卑怯かもしれないけれど、思兼でアイリスフィールと舞弥には俺達を害する行動を自発的に取りやめるように刷り込んでおいた。この聖杯戦争中に解く事は先ず不可能なくらい強力に暗示を掛けたからおそらく大丈夫だろう。
ついでに八意で知識を盗み見たが、なるほど。セイバーのマスターは衛宮切嗣で間違いなく、その行動は極めて危険だと言う事が分かった。これは守りを強固にし、切嗣はこの屋敷に入って来れないようにしないとやばいかもしれない。
操る間もなく人間であるイリヤや凛、桜が銃弾に倒れるなんて事になったらしゃれにならない。
陣地作成スキルを使い、一般人はおろか魔術師すら許可の無いものにはその突破が難しいほどにこの屋敷に魔術的な防御を施した。自重無く施したこの屋敷はもはや一種の要塞だろう。
「ふふ。チャンピオンの料理はやっぱり美味しいわね。同盟を提案してよかった事は正にこれよね」
アイリスフィールの呟きにセイバーはコクコクと頷き未だ料理を頬張っている。舞弥はサーヴァントが料理っ!?と現実逃避中。サーヴァントだって普通の人間であったときがあるのなら料理くらいするだろう、普通。
ギルガメッシュから貰ったキッチンは勇者の道具袋に入っているのでいつでも取り出せる。食材も同様に道具袋に入っているので、料理をする事は事実上何処でも可能になったのだ。
そんな訳でお昼ご飯を提供したのだが…結果はごらんの通り。どうやら満足してもらえたようだ。
お昼が過ぎても特に俺達はやる事が無い。結局出たとこ勝負なのだ聖杯戦争は。遠坂の家へと上がりこみ、凛の父親をどうにかしようにも、ギルガメッシュが彼のサーヴァントである事実に結局一戦交えなくては成らず、凛が使役する監視の使い魔からの情報では穴熊を決め込んでいて一行に出てくる様子が無い。桜の事に対して言ってやりたいことは有るようだが、此方から
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