第九十五話
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して設けていた物だったのか。まさかアインツベルンの居城を捨てる判断をするとは思わなかったためにこの可能性に思い至らなかったのだ。
はたして、本拠地を移転しようとしてきたアイリスフィール達と根城にしていた俺達はどうして良いか分からず。とりあえず剣を突きつけるセイバーにこちらも刀を握っているのである。
「とりあえず…どうしましょう?」
そんな呟きがアイリスフィールから漏れる。
「だいたい俺達は聖杯戦争の参加者じゃないんだから俺達が争う必要は無いんじゃないか?」
参加資格はあるし、聖杯を手にする可能性もある俺達だが、一応建設的に聞いてみる。
「そうねぇ…」
「アイリスフィールっ!」
「セイバー、戦ったらあなたあのチャンピオンに勝てる?」
「当然です。如何に二対一で有ろうと必ずやこの剣で敵を倒してご覧に入れましょう」
「二対一?一対一では無くて?」
「アイリスフィール。後ろで油断無く此方を警戒している彼女もサーヴァントだ。何のサーヴァントかまでは分かりませんが、おそらくイレギュラーサーヴァントでしょう」
「なっ!?」
アイリスフィールの視線がソラへと向かう。
「少し俺達も立て込んでいてね。ここを今すぐ出て行けといわれても難しい。ただ、この拠点を俺達に見つかった手前そっちにしてみれば此処を捨てざるを得ない。そう言う事でそちらが引いてくれない?」
「もう一つの選択肢もある。ここで私に倒される道だ」
セイバーは剣を強く握り締めた。
「その時は精々抵抗させてもらうよ」
「セイバー、止めましょう。舞弥さん、ここ以外の拠点で良いところは無いかしら?」
「は?…あ、いいえ。幾つか拠点に出来るような所は確保しておりますが、ここよりも立地の良い所はなかなか…直ぐに用意できるのはビジネスホテルになりますが、幾分足がつきやすく敵に露呈する可能性も低くありません」
アイリスフィールに突然振られて一瞬呆けた舞弥だが、しかしその質問にはしっかりと答えた。
「そう。じゃあやっぱりここにしましょう。ねえ、アリアとその後ろの赤い服を着た魔術師さん。ここでの争いはしないと停戦協定を結んだ上で、しばらく一緒に此処を使うと言う事でどうかしら」
「アイリスフィールっ!」
「セイバー。今のあなたでは敵の襲撃に万全に対応する事はできない。向こうは今すぐに此処を出て行くことは難しそうね。だったら共同拠点にして警備をチャンピオンにも負担してもらいましょう」
なんか微妙な方向に話が流れている気がする。
「ねぇ、あなた達は本当に聖杯戦争の参加者ではなく、聖杯も必要ないのね」
「いらないわ」
「ええ」
アイリスフィールの問い掛けにすんなりと答えるイリヤと凛。
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