第九十五話
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る令呪をごまんと手に入れたことになる。これは忌忌しき事態だ」
「教会の人員を総動員して令呪奪還へと動いているが、…相手はサーヴァント、奪還は不可能でしょうな…ですので、何とかキャスターの討伐は時臣くんの手で行って欲しい。でなければキャスター討伐の報酬詐欺で我々が殺されかねない。監督役不在では事実の隠蔽も難しいでしょう」
「くっ…分かりました。何とかしましょう」
地下室の中で陰鬱な面持ちで搾り出すように答え、通信は終わった。
「そろそろ私自身が動く頃合か…くそ、これならばアサシンを使い潰したのが悔やまれるっ!」
ガンッとテーブルを叩きつけると、理性を動員し感情を押さえ込み、その地下室から時臣は出て行った。
◇
朝日が昇る頃に桜も目を覚まし、記憶も一年前まで巻き戻っているのでそれはもう大変に混乱した。
一応間桐の家に養子に出された所までは覚えているらしいが、それ以降の記憶はなく、眼が覚めたら知らない所で寝かされていたのだからソレは驚くだろう。
驚く桜を凛がなだめすかし、適当な言い訳を考え、何とか家に帰ろうとする桜を引き止める事に成功した。
全裸だった彼女だが、ソラ達の持ち合わせから服を見繕い、着させると立派なお嬢さんの完成だ。
桜は凛から離れずらいのか凛の服のすそをしっかりと握っているが、それは何処かでそれが自分の血の繋がった姉だと感じているからだろう。きっと一番落ち着くのだ。
さて、遠坂の家は一つの呪いがあるいや、本当に呪いと言うわけではないが、遺伝でもしているのではないかと言う一つの事象。
凛は99%はそつが無くこなせるのに、最後の最後の1%でとんでもないへまをやらかす。今回この時代に転移してきた事もそうだし、また今日の事も。
衛宮邸の玄関先で対峙する俺とセイバー。
俺の背後にはイリヤと、凛、桜を守るようにソラが居る。セイバーの後ろにはアイリスフィールがおり、気配でもう一人居るらしいのは分かっているので出てくるように言うと不利を悟ったのかアイリスフィールを守るように一人の女性が現れる。
「ここは我々が手に入れた屋敷のはずだ。あなた達はどうしてここに?」
アイリスフィールを守るように立つ麗人…久宇舞弥は鋭い目つきで睨み返すとそう問いかけた。
「誰も住んでいないような屋敷だったのでね。数日雨風を凌ごうと無断で上がらせてもらった」
誰も住んでいないように放置されたこの家を見て、俺達は衛宮切嗣がこの冬木市に定住する為に聖杯戦争後に購入した屋敷だと勘違いしていた。
此処をと提案した凛の采配ミスではあるが、俺達も同様の勘違いをしていたのだから彼女を責める事は出来ないだろう。
しかし、なるほど。この屋敷はアインツベルンの勢力が聖杯戦争中の拠点と
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