第九十五話
[4/17]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
リヤの負担が増えた様子も無く、また俺の戦闘能力が下がった様子も無い。うまく行った様だ。
ただ、どうやらソラの方になのは、フェイト、シリカと持って行かれた様で、いま俺の中には彼女たちを感じられない。
戦力が増えた一方で、俺単騎で戦況に合わせて彼女達に変わる事は出来なくなったと言って良い。まぁ、それが普通だし困った事は無い。
母さんやアテナ、アーシェラ達は俺の中に居るし、俺の手に余る事もそう多く無いだろう。
大掛かりな契約魔術の反動で疲れたのか、凛はそのまま就寝、夜も更けたことでイリヤも寝付いたようだ。
こうして長かった一日が終わった。
◇
一時の休憩を得る為に帰ってきた間桐の館。しかしその風貌は一変していた。
いや、確かに外観は元から石で出来ていたし、そこまでの違和感は無い。日の光が入らないように作られているその屋敷は一見では中の様子なの分からないし、近所の人もこの屋敷には近づかないようにしているのか昼間でもこの屋敷に近づく人はいないのでその違いは分からないかもしれない。
しかし、実際近づいてみれば現在の間桐邸の異常さを窺える。
石化しているのだ。調度品や生活雑貨、そしてこの屋敷を支配しているはずの蟲でさえ。
破壊されている入り口のドアを潜り、恐る恐る屋敷の中へ入るとその中も全て石化していた。
そこには命ある物は何も無いと言った感じの静寂。
開けっ放しの臓硯の書斎に入ると、そこには驚愕の表情を浮かべたまま石化した彫像のような臓硯の姿があった。
まさか家の中全部がこんななのか?
はっと思い桜ちゃんが居る蟲倉へと向かう。
石段を降り、真っ暗なそこに目をやればそこに居るはずの桜ちゃんの姿が見当たらない。
まさかこの石の中で一緒に石化しているのかと思い焦ったが、どうやら一箇所だけ何かを引き抜いたような形で穴が開いていた。
それを見ておそらく連れて行かれたんだと自分を納得させる。
連れ出したと言う事はまだ生きていると言う事。だったら助けに行かないと…と重い体を引きずり俺は再び夜の街へと繰り出した。
◇
「どうしてイレギュラーの討伐を引き下げたのですっ!」
暗い地下室で時臣はまだ蓄音機の前で穴熊を決め込んでいた。
蓄音機から流れてくる誰かの謝罪の声。
「すまないな、時臣くん。まさか白昼堂々イレギュラーのマスターが現れ、且つ高レベルの暗示を掛けれるとは…」
そう答えたのは蓄音機の向こうの璃正神父だ。
「くっ…高レベルのチャームの魔法…確かに警戒すべきでした。…しかし、チャンピオン討伐のキャンセルはまだ良いでしょう。だが、報酬であるはずの令呪が奪われたのはいかんともしがたいっ。これでイレギュラーのマスターは使い潰せ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ