第九十五話
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イリヤは願いの内容を語らない。どうやら彼女の内の奥深い所にある動機のようだ。彼女の瞳にはとても強い意志を感じられる。
…これは仕方ないかな。
「わがままだと分かってて言っているのなら、しょうがない…イリヤの望みを叶える手伝いをしてやるよ」
「ありがとう、チャンピオン」
ポソリと呟くように感謝の言葉を洩らしたイリヤ。
「だけど、どうするんだ?確かにこの世界の聖杯が汚染されている決め付ける事は出来ない。しかしバーサーカーのクラスでも無いのに理性のたがが外れているサーヴァントが居たという事実は聖杯の機能に不具合がある証拠である気がしてならないよ」
を連れて俺は衛宮邸へと戻っていった。
「そうね。
だけどわたし達は前回大した厄災もなく汚れた聖杯を降臨させた上で漏れ出した孔を閉じ、わたしも無事だったわ」
「それは偶然が重なっただけだろう。今回もうまくいくとは…」
「ええ。だから今回は全力でうまくいかせて欲しいの」
つまりイリヤは聖杯として小聖杯を完成させた後、孔を吹き飛ばして聖杯戦争を終わらせて欲しいのか。
中身が汚染されていると分かれば諦めてくれるマスターも居るはずと思っているのだろう。
まぁ衛宮切嗣あたりなら、確かに諦めてくれるかもしれない。なんていったって衛宮士郎の歪んだ人格の大本になった人物で、大きな災厄しか引き起こさない物をどうして認められようか。むしろイリヤごと破壊してしまいそうでそちらの方が気がかりだ。
しかし何故そんな事を?
そう言えばイリヤの本当の望みははぐらかされてしまったか。まぁいい。今は彼女の望みを叶える為に最善を尽くそう。
イリヤが本当に道を間違えそうになったらぶん殴ってでも止めれば…ああ、令呪が有るから無理だったな。イリヤが聞く耳を持っていてくれる事を祈ろう。
俺はそれ以上の詮索はせずに衛宮邸へと戻った。
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