第九十五話
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その一瞬で上へと飛び上がり、距離を取った。
このままでは千日手かと思った時、水面が渦を巻くように海魔へと吸い寄せられていくではないか。
何かやばい予感がする。
「ディバインバスターっ!」
すぐに海魔へ向けてディバインバスターを放つが、学習したのか大量の触手を折りたたむかのように重ね合わせて壁を作り、今度は本体へと届く前にディバインバスターは霧散した。
結果、吸い寄せられる水を阻害する事は叶わなかった。
「ありゃ何をしているのかのう」
戦車を操り、少し距離をとったライダーが呟く。
大量の水を吸い込んだ海魔はその状態を倒すように水面に横たえるとザパリと波しぶきを上げる。
その巨体を操り旋回するとその大きな口がイリヤ達がいる方を捉えた。
まずいっ!カンピオーネになって以来働くようになった直感に従い、俺はクロックマスターを使い空を疾走すると言う過程を省いて一瞬でイリヤの元へと現れる。
「え、チャンピオン?」
驚くイリヤに答えてやれる暇は無い。間に合えっ!
『ロードカートリッジ』
ガシュガシュガシュ
現在残っていたカートリッジをフルロード。一気に魔力が膨れ上がる。
海魔のガパリと開け放たれたその口からは、ウォーターカッターのように高圧の水しぶきが爆音を伴って撃ち出されたのだ。
「きゃーーーーーっ!」
「きゃぁっ!?」
爆音に消されるイリヤとアイリスフィールの悲鳴。
「なにぃ!?」
驚きの声を上げたのはランサーだろう。
防御手段を講じた俺と、水を撃ち出した海魔の攻撃は、何とか俺の方が一瞬速く、その水しぶきを耐え切る事に成功した。
俺の前に現れる巨人は大きな鏡のような盾を持ち、ウォーターブレスの一撃を凌いだのだ。
そう、俺の切り札であるスサノオである。
「これは…宝具?権身の具現化なんて…」
驚いているアイリスフィールには悪いが答えている暇は無い。なぜなら、ブレスを凌がれたと悟った海魔はすぐに二射目を撃ち出したからだ。それも何とかスサノオで耐えると、再び水を吸い込み始める海魔。
このインターバルで攻め入らねばなるまい。
俺はイリヤ達を背後に庇うように一直線に海魔へとかける。
途中で蠢く触手は十拳剣で切り飛ばしていった。
それは八俣の大蛇の首を切り落とすスサノオ神のようであった。
「こりゃあ神々の戦いだのう…見ろ坊主、ヒュドラを倒したヘラクレス、メドゥーサを討伐したペルセウスのようではないか」
ライダーがブレスを警戒して距離を取っていた為に俯瞰位置から見下ろしながら言った。
「そんな事を感心している場合かっ!僕たちも今のうちに攻撃するんでしょうがっ!」
「そうであったっ!行くぞ
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