暁 〜小説投稿サイト〜
マザル 生きる 生きてやれ
 
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[1] 最後
マザル
 
 お風呂の洗剤と
 トイレの洗剤を
 混ぜた
 白い煙が
 モクモクとあがった

 暴力はいけません
 暴力は絶対に認めません
 暴力をする人は
 人の気持ち、
 痛みを考えない人です
 暴力としつけ
 暴力と規律
 暴力と愛
 暴力と平和
 が混ざったら
 それは暴力ではなくなる
 それは必要悪となる
 それを皆が泣く泣く認める
 今日もあちこちに
 そんな煙たちが
 モクモクとあがる

 太陽が昇る
 今日もうやとむや
 がぐちゃぐちゃに
 混ざりあい
 竜のような白い煙が
 天に昇ったら
 世界が動き始める
 
 生きる
 
 ぼくは幼いころから
 暗いクライこの道を歩いている
 今は臭い水の横を歩いている
 
 しばらくたって
 ぼくの目には
 遠くに見える水の色が
 ねずみ色に見えた
 
 そこにかけよると
 うえからまぶしいものが
 ぼくをおそった
 
 そのまぶしさから
 にげることもできた
 でも、ぼくはそこにつっこんだ
 さらにつっこんだ

 タッタ、タッタという音が聞こえた
 その音はだんだん大きくなる 
 でもつっこんだ

 そして
 たくさんある穴の真ん中から
 ぼくはとびだしたんだ

 ぼくの目の前には
 黒くて長く鋭い振り子が
 何度もかすめていく
 こわかった
 こわかった
 ぼくはこのこわさよりも
 新しい世界が知りたかった
 
 ゆっくり歩き出すと
 目の前から振り子が消えた

 大きく広がる
 白とねずみ色の世界
 ぼくは六本の足を
 震わせながら動かした

 三歩六歩九歩
 新しい世界を
 噛みしめながら

 突然
 大きな影がぼくをのみこんだ
 すごい音をたてて

 
 恐怖で目を瞑ったぼくを
 影は何度ものみこんだ

 音が振り子に変わり
 目をあけた僕の目の目前には
 あの世界で唯一の友達・ねずみさんが
 ぐちゃぐちゃになって死んでいた

 ねずみさんを避けるようにして
 振り子たちが動いている
 ぼくはねずみさんにお別れを告げ
 振り子の中に入っていった

 するりするり
 とはいかながったが
 被害は右触覚の先一センチにとどめ
 振り子ゾーンから抜けだした

 あの世界が長いせいか
 ぼくは暗い道に入っていった

 その道をさらに進むと
 僕の鼻においしそうな匂いの風が
 当たり、ぼくは自然と
 それにつられ
 壁に登っていた 
 
 ブーン 
 という断続的に続く音と
 その匂いが大きくなり
 ぼくはパッと上を見上げた
 すごい速さで何かが回っていたので
 怖くて足
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