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を止めた。
ぼくは振り子のように
すり抜けようと思ったけど
あまりの速さに腰を抜かし
そこから動けなくなった
でもおいしい匂いがぼくの
お腹を満たしてくれので
苦ではなかった
「昼の部終了です」
ガタン
という音が聞こえあとに
それが回転を遅くしてから止まった
ぼくは新しくできた隙間を通って
おいしい匂いのもとへ行くことにした
短いトンネルを抜けたら
そこは明るい場所だった
「おい。誰か殺してくれ」
「俺無理です」
「スプレーでいいすか?」
「スプレーはダメだ。厨房なんだから」
「もう男の癖に何しんてんのよ。私がやるわよ」
大きな生物四匹が
僕の方を見て何か言っている。
次の瞬間
「捕まえたよ」
ぼくの視界は真っ白になった
驚いた僕は必死に動いた
「何こいつ気持ち悪い」
「早く潰して捨てろよ」
「潰すのは無理よ。あんた潰しなさいよ。ほら」
ぼくは少し見えた隙間を
めがけダイブした
「うわっ。飛んだよ」
「あんたが早く潰さないからでしょ」
なんだかよくかわからなかった
体が宙に浮いていた
羽根をバタバタとさせて
はじめての体験だった
生きてやれ
わたしは海の見える
丘に咲いていた
黄色い花
一年前の夏
ブーン ブーン
という音が鳴り
わたしの体が切られた
一緒に咲いていた
仲間達も
体を切られても
わたしは生きていた
そのあと
ガシャン ガシャン
と土をおこされ
根の大部分が切られた
それでも生きていた
土が戻され
わたしは押し潰された
さらに上から
何かかけられた
重い おもいです
二メートルあった
わたしの体は
もう数センチ
熱い あつい
土を通じて
もの凄い暑さが
わたしに伝わってきた
上がうるさいから
上で何かやっているんだろう
しばらくたって
暑さが暖かさに変わり
わたしの体は
ぽかぽかだった
ぽかぽかは
何日も
続かなかった
今度は体が寒くなってきたぞ
そろそろ
冬になるのかな
春になったら
外に出て
また海を見よう
土の氷がとけたころ
わたしは長い眠りから覚めた
わたしの体は
大きくなっていた
一メートルぐらいはあるだろうか
そろそろ
芽を出したいから
上に出ようと思った
よいしょ よいしょ
と頑張ったが
上に出れない
もう一度力を入れて
一(ひ) 二(ふ) 三(み)
よいしょ
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