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皇太子殿下はご機嫌ななめ
第19話 「趣味のお時間」
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中、終わらせやがった。
 アルテミスの首飾り。あれの応用。
 自動追尾装置付き。浮遊砲台。
 パチ物のファンネル。
 四枚の羽から二十基のファンネルが飛び出していく。
 避けられるものなら、避けてみろ。けっけっけ。
 そしてあっさりと二機とも撃墜された。
 ある意味、二十対一だからなぁ〜。当然といえば、当然だ。
 しかし空しい。
 空しすぎるぜ。
 こんなんで勝っても嬉しくねえ〜。
 うわ〜むちゃ悔しいぞ。
 やはり、封印など解くべきではなかった。

 旗艦に戻ったが、俺は軽く落ち込んでいた。
 やるんじゃなかったという思いがある。
 やめときゃ良かった。
 あいつらにも悪いことしたな……。
 お詫びに、もう一つの封印を開けてやろう。
 聞いて驚け、見て驚け。

「おい。例の封印を解くときが来たのだ」
「か、閣下。まさか、あの、封印を解くと仰るのですか?」

 開発局の連中が蒼白となった。
 普段、浪漫とかほざいているわりに、軟弱な奴らよ。

「いいから解け」

 キルシュバオム少佐とヴルツェル大尉が、興味津々といった感じで見ている。
 他の連中もだ。
 旗艦のハンガーに置かれていた機体。そのベールがとかれる。
 中から現れたのは、白い機体だ。

「宰相閣下。これはいったい?」

 二人の驚いた顔。さすがに驚いているようだ。
 ザ○とは明らかに違うタイプだからな。これに比べれば、クシ○トリアはまだ、ザ○の系統だ。
 姿を現したのは、そうガ○ダム一号機と二号機である。しかもフルバーニアン。高機動タイプと重武装タイプ。
 ジ○ン縛りで開発してきたというのに、これに手を出しやがったのだ。
 出しちゃいけないと言ってきたのに……。SEEDやDESTINYじゃないだけマシとしようか? サイコフレームもなしにユ二○ーンを作るのは無意味だからな。

「ところでなぜ、これに手を出した?」
「浪漫です」
「ええい、その一言ですべてが許される時代は、もはや終わったのだ」
「ではもう一言。趣味です」
「てめえら〜」
「MS開発局は、圧力に屈せず叫ぶのだ。浪漫は全てを超える、と。セクサロイド作らないだけ、マシと思ってくださいな」
「誰がそんなもん、造れといったぁ〜」

 オーバーヘッドキック。
 俺が手技だけと思うなよ。蹴りも使えるのだ。
 ほれ見ろ。女性兵士が引いてるじゃねえか。
 ところでおい。どうして旗艦に乗員してる兵士達、お前達の目が、意味深に光るのだ?
 おいったら、おい。なぜ目を逸らす?

「こっち、見ろよ」
「いえ何も……」
「何も考えておりません」

 まあいい。追求してやらないだけの、優しさはあるつもりだ。
 そっとしておいてやろう。武士の情け
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