第19話 「趣味のお時間」
[1/4]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
第19話 「あわわ、何という事を」
宇宙、それは広大な……。
ちょっち、やばいセリフを吐きつつも、俺はいま宇宙に飛び出している。
オーディンを出発したのだが、付き従っているのは半個艦隊。五千隻である。
「大げさすぎやしないかい?」
思わず、司令官のレンネンカンプに言ってしまった。
「そんな事はございません。これでも少ないぐらいです」
ヘルムート・レンネンカンプ。
この半個艦隊を指揮している。ヒゲのおじさんだ。
イメージとは違い、まあまとも。
少なくとも嫌がらせを喜ぶような印象はない。というか、良くも悪くも真面目すぎるんだな。
そしてそのひげのおじさんは、少し苦虫を噛み潰したような表情を浮かべていた。
原因はあれだ。
クラリッサ・フォン・ベルヴァルト少尉とその部下十数名。
全て女性兵である。十人以上、二十人近くいるだろう。一小隊全員乗り込んで来ていた。
同盟と違って基本的に、艦隊に女性兵は乗ってないからな〜。
司令部だけでなく、各部署の男どもが、どこかしら浮ついているように見えるのが、気に入らないのだろう。気持ちは分かる。しかし如何ともしがたい。
そして、なんとぉ〜イゼルローンの悪夢こと。アルトゥル・フォン・キルシュバオム少佐と、鋼鉄の猟犬こと。ミヒャエル・ヴルツェル大尉が同乗している。
いやんいやん。サインでも貰おうかしら?
この二人が俺のMS模擬戦の相手を務めることになっている。
……いやがらせか?
あのくそじじいども。
俺がMSに乗って、この二人相手に勝てるわきゃ〜ねえだろがよ。相手はMS乗りのなかでもトップエースと呼ばれるやつらだぞ。操縦技術で勝てる気がしねえ。
嫌がらせにも程がある。
少しは花を持たせてやろうとか、そんな優しい気持ちはないのか?
これだから重力に魂を引かれているじじいは、困るんだ。
やはり、あれの封印を解くときが来てしまったのか……。
あれだけは手を出しちゃいけないと、MS開発局の連中にも口を酸っぱくして、言い聞かせたというのに、連中は作ってしまったのだ。
悪の囁きに耐え切れなかったのか?
俺も耐えられそうにない。
「いや、まだだ。まだやれる」
やる前から気持ちで負けてどうする。
俺のクシ○トリアがザ○に負けるものかっ
■オーディン上空 クラリッサ・フォン・ベルヴァルト■
宇宙空間を三機のMSが飛び交っています。
宰相閣下のクシ○トリアが四枚の羽を広げ、螺旋を描くように、キルシュバオム少佐のザ○に向かっています。
速い。めちゃくちゃ速いです。
ワルキューレ以上?
さすが宰相閣下の専用機。
並みじゃありません。ですがキルシュバオム少佐は最小の動きで
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ