第四十話 少年期【23】
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動物の赤ちゃんとか犬とか猫とか猫とか猫とか…」
『……頑張って下さい』
「……あれ? ここ、なんでレーダーが反応しているんだ」
『行き止まり…ですよね』
おしゃべりをしながら歩いていた俺たちは、ある場所で足を止めた。目の前には本棚が並べられており、その後ろには石造りの壁があるはずだ。なのに、レーダーはこの先に空間があることを示していた。ダンジョンみたいなつくりだと思っていたが、まさか隠し扉まであるのか!?
「だけどこの大きさの本棚を動かすなんてできないよな。なぁ、コーラル。ちょっと本棚の隙間から入って確かめてきてくれないか」
『それが確実そうですね』
本棚同士の隙間から入っていったコーラルのおかげで、本棚の後ろに扉が隠されていたことを発見した。喜んだのもつかの間。結局子どもの俺に、この大きな本棚を動かす力がないためどうしようもないのだ。副官さんから新しい通路は報告しろ、と言われているから俺が行かなくてもいいのだが、やはり気になるものは気になる。
「レーダーの反応から、この扉の先は広い空間になっているみたいだな…」
『そのようですが……ますたー?』
「転移を使ったら、扉一枚分ぐらい簡単に移動できるよな」
確認のためにつぶやくと、コーラルは無言になる。否定がないということは、おそらく可能だということだ。本棚に隠された不思議な部屋。宝箱が置かれているとは思わないし、おそらくこの先も本ばっかりなんだろうとは思う。それでも興味がある。俺の中の好奇心がうずいた。
―――きっと大丈夫だよな。
「ちょっとだけ行ってみないか。見たらすぐに帰るからさ」
『本気……みたいですね』
「大丈夫だって。だいたいここ図書館だぜ。危ないわけないじゃん」
いつもなら安全の確認がされていない場所に踏み込むようなことをアルヴィンはしなかった。彼は石橋をたたいて渡るほどではなくとも、元来ヘタレだったからだ。だが、今回はその箍が外れてしまっていた。
それは何度も無限書庫に来ていたことで油断があったことが原因の1つ。そして冒険家になりたいと思っていたアルヴィンに、まるでダンジョンの様な迷宮が現れたことも要因の1つ。
そして3つ目。彼を進ませた最大の原因が、気づかないうちに原作を盲信してしまっていたことだった。
『無限書庫は安全な場所』。アルヴィンの根底に根付いている考え方。その理由は原作での無限書庫の立ち位置とユーノ・スクライアの存在が大きかった。『闇の書事件』を解決させるために登場した情報の管理場所。彼にはその程度の知識しかないため、無限書庫はお助けスポットのような「善」なのだと無意識の内に考えてしまっていた。
そして原作から10年後のStsで無限書庫の司書長となったユーノ・
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