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少女1人>リリカルマジカル
第四十話 少年期【23】
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も同じぐらいの年代だった」
『もしその時代のものだとすると、候補となる世界は4つ、いえ3つですね。……これはすぐに答えは出せそうにありません』
「あぁー、まぁ気長にやろうぜ。またここに来て調べよう。次は転移でとんでくればすぐに来れるんだし」

 俺は頭を掻きながら、膝に乗せて広げていた本を閉じた。少し散らかしてしまった本や用紙を片付けながら、休憩に入ろうとコーラルに声をかける。機械であるコーラルに疲れはないだろうが、俺と同じように作業をやめて合わせてくれた。

「水筒持ってきて正解だったな。……っぷはぁ」
『お疲れ様です。帰ったらお湯でしぼったタオルを目に当てるとかすると、疲れにいいらしいですよ』
「へぇー、家に帰ったら実践してみる」

 ずっと無重力の中にいると、なんだか地面が恋しくなってくる。地べたに座ったり、寝転がったりしたくなるな。俺は腕や背中を伸ばして、少し硬くなっていた筋肉を解していった。

 とりあえず、これからの残り時間はここの探索にあてていこう。十分に休憩した俺は、コーラルにマップを出してもらう。このマップはコーラルから発せられるレーダーが、周辺の地理を把握して自動的に地図に登録していってくれる優れものだ。地道に移動して埋めていく必要があるが、放浪好きの俺としては全く問題はなかった。

「さすがは母さんのお手製だな。ゲームでも好きだったけど、マップを100%まで埋めていくのが楽しみだよな」
『ゲームはよくわかりませんが、ますたーってこういう地味な作業が結構好きですよね。このマップ機能、確かますたーが6歳の誕生日にお願いしたものですよね』
「まぁな。あの時はこんなにも活躍するとは思っていなかった」

 懐かしい。確か間違いだったとはいえ、妹に下剋上されそうになった時だな。だって「お姉ちゃんになりたい」なんて言われたら、双子の兄が弟になるのが一番手っ取り早いことだった。もっとも、アリシアの願いは下剋上ではなかった訳だが。

『……そうだ、ますたー。移動の暇つぶしにちょっと質問してもいいですか?』
「ん? まぁ進みながらでいいなら」
『ますたーもアリシア様も動物が好きですけど、どんな動物が好きだとかはあるのですか』
「これはまた難しい質問を」

 地図を作るために書庫の中を移動しながら、俺は考えてみる。例の海の中にいるアレ以外は、基本好感度がマイナスなものはない。だけど好きとなると、改めて考えるとなかなか決まらない。

「うーん、癒し系は結構好きだな。でも虎や鮫みたいな迫力があるのも好きだし、羊の手触りもハシビロコウの目つきも捨てがたい」
『相変わらずの許容範囲で』
「一番は決められないけど、やっぱり抱っこできるぐらいのもふもふっ子かな。かわいいし、抱きしめたりできるし、手触り良いじゃん。
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