第四十話 少年期【23】
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を見つけられても、それを証明できるだけの根拠がなければ信用してくれないかもしれない。もし、もう助かることも生きることにも全てに疲れてしまっていたら、助かること自体を拒絶されるかもしれない。
つまりまとめると。俺がやるべきことは、色々な攻略法を模索しながら、同時に女性の口説き方を勉強していきましょうということだ。エロゲか。
「カタルシス要素がねぇ攻略法だよな…」
だけど裏方から地味にやっていくしかない。ヴォルケン達を助けたいと思うし、リインさんを助けてあげたいとも俺は思っている。欲張りだと感じるし、みんなを救える力があるなんて俺自身思えない。それでもそのためにできることをやらないのは違う。思うことは自由なんだから。
11年前の闇の書事件まで、まだ10年以上ある。欲張りでいいんだ。自意識過剰でいいんだ。最高のハッピーエンドを目指せるように、選択肢を探し出して見つけ出してみせる。たとえ最後に何かを切り捨てることになったとしても……決して後悔しないように。
******
「……うわぁ、何語だよこれ」
『今までとは文体が異なりますね。ミッド語でもベルカ語でもなさそうです』
「中の様子もかなり変わったよな。まるでダンジョンの中みたいだ」
目的地であるB-3にたどり着いた俺たちは、閉じられていた扉を司書さんから教えてもらったパスワードで開き、そこに足を踏み入れた。扉の奥は今までとは様式が変わり、本がたくさんあるという共通点以外は無限書庫の中とは思えない空間がそこにはあった。
石造りの壁に天井を支える柱。部屋の中には彫像品や装飾品が置かれており、この場所だけを見たら豪華な書物庫という感じだ。入り組んだ通路の先にそんな部屋がいくつもあり、まるで迷宮の様なつくりになっている。無限書庫って本当に訳がわからねぇ。
「これ、もしかして古代ベルカ時代のものかな」
『可能性はありますね。古い時代の文字なら、データに該当がないのもうなずけます。……闇の書はかなり古い魔導書ですから、調べるならここは当たりかもしれません』
「……おし。コーラルはこの辺りにある本の文字から特徴を見つけ出してくれ。俺は彫像や装飾から時代や国のことがわからないか探ってみる」
『では、ますたーの端末に美術品のデータを送っておきますね』
そうして約2時間。俺たちは別行動したり、気づいたことを話し合い、報告書にまとめていった。彫刻を写真で撮ってデータと照らし合わせたところ、今から約2000年以上前のものと鉱物の質や作品の傾向が似通っていたとか。コーラルは文字の特徴から流れを辿り、この文字を使っていただろう国を絞り込んでいった。
「時代はたぶん2000年前だと思うぞ。彫刻もそうだけど、ここの書庫にあったレリーフの技術
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