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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第一章『セシリア・オルコット』
第十三話『輝く世界へ』
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こだまする。
「おはよう、修夜。そろそろいけるか?」
いつもの明るい一夏の声が、ドア越しに聞こえてきた。
「あぁ、ちょっと待っててくれ。すぐに行くよ」
――――
本音を引きずりながら部屋のドアを開けると、いつものように一夏と箒が並んで立っていた。
「朝から大変だな、修夜」
そんな俺と本音の様子を、箒と一夏は苦笑を浮かべながら眺めている。もはや、これさえ日課となりつつある。
「おはよう、二人とも。見て分かるなら、代わってくれてもいいんだぞ」
軽口を叩きつつ挨拶すると、そこは遠慮しておくと一夏がいつもの調子で返してきた。
「うにゅ〜……」
話題の中心である本音は、いまだに水面を漂ううたかたの様相で、夢と現実のあいだを彷徨っている感じだ。
「おはよう、布仏」
箒が本音に近づきながら、彼女に声をかける。
「…………。あ〜、おりむーにほうきん、おはよ〜」
するとさっきまでのうたかたモードがうそのように、本音はいつもの状態に復帰する。
……なぜそれをもっと早く起動してくれない。
「すっかり、のほほんさんのお世話役だな」
『のほほんさん』。それが一夏が本音に付けたあだ名である。
名付け親曰く「雰囲気が“のほほん”としているから」とのこと。実に分かりやすいネーミングである。
笑いながら飛んでくる一夏の言葉にムッとしたが、今日までを振り返ってみて俺はちょっとしたショックを受けた。
彼女と一緒いる時間のうち、大半は彼女に世話を焼いていることが多いことに、今更ながらに気が付いた。
……あれ、これが俗に言う『主夫』ってヤツなのか…?
自分の妙な順応性の高さが、少し悲しくなった……。
「それにしても珍しいな、お前らがこんな時間に出るなんて」
時刻は7時50分を少し過ぎたところ。別に遅いと言うわけではないが、何時も俺より後に来る二人にしては、少し珍しい時間だ。
「昨日の試合について、修夜ともう少し話したかったからさ。箒から、修夜が向かう時間を聞いて合わせたんだよ」
「そう言うことだ」
一夏の言葉に、箒も頷いてそう言う。まぁ、確かに昨日の事は俺も後で話そうと思っていたから、都合が良いと言えば都合が良い。
「なるほどな……ってか、いい加減離れろ本音。歩き難い」
「にゃふふ〜、やだよ〜♪」
そう言って俺の背中から離れようとしない本音を引きずり、結局は寮の玄関まで引っ張っていく羽目になった。
じゃれついてくる仔猫か、コイツは……。
「ほら、玄関についたんだから、離れて靴を履く」
「む〜……」
玄関についた以上靴を履かねばならないので、渋々と俺から離れる本音。
むくれっ面をしている様子は、さながらダダをこねる小さな子供だ。
「なぁ、のほほんさん。どうしてそう、修夜に懐いてるんだ?」
「ん〜? しゅうやんと一緒だと
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