第五十九話
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第五十九話 赤音は
赤音も今は家でだ、転校生について色々と考えていた。そのうえで自分の使い魔達にお菓子を食べながら言うのだった。
「怖い娘だったらね」
「嫌だよね」
「やっぱりね」
「そんな娘だったらどうしようかしら」
本気で心配している顔だった。
「若しそんな娘だったら」
「ご主人喧嘩嫌いだしね」
「そういうの苦手だからね」
「うん、そんなのしたくないから」
こうジップとハリーに言う。
「だから余計にね」
「そうだね、けれどさ」
「私達がいるから」
二匹はここで自分の主に胸を張って言う。
「魔女でも私達が絶対に何とかするから」
「ご主人を守るからね」
「いいわよ、そんなに気を使ってもらえなくとも」
赤音は二匹に申し訳ないといって返した。
「私一人で」
「いや、ご主人を守るのが使い魔の仕事じゃない」
「だからそれは当然だから」
「それにね」
「私達以外にもね」
ジップもハリーも赤音にまさに姉、母の様に言う。彼女達にとって赤音は主であると共に妹や娘の様存在なのだ。
だからだ、あえてこう言うのだ。
「クラウンの人達もいるじゃない」
「六人よ」
一人ではないというのだ。
「これで心配する必要あるの?」
「蒼さんもいるのよ」
今度は赤音の姉の名前も出した。
「それでどうして不安なのよ」
「一人じゃないのに」
「そうよね」
話を聞いてだ、そして言う赤音だった。
「じゃあ今は気にしないで」
「そう、一人じゃないから」38
「転校生の娘に何かされた場合でもね」
そうなってもだと、こう話して。
そしてだ、赤音は二匹に表情を明るくさせて言った。
「わかったわ、私もね」
「そう、今から心配になることないから」
「何かあっても心配しなくていいの」
「一人じゃないからね」
「大船に乗ったつもりでいてね」
「うん、それじゃあね」
赤音は二匹にジュースを差し出す、自分もそれを一緒に飲む。
そのうえで今は自分を大事にしてくれる使い魔達と一緒に楽しい時間を過ごした、落ち着いた顔になって。
第五十九話 完
2013・8・2
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