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我が剣は愛する者の為に
旅立ち
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思いを墓に向かって吐き出す。
自分の言いたい事を言い終えると、唯は少しだけ落ち着いたのか軽く笑みを浮かべる。

「駄目ね、ほんと。
 貴方達から授かった子供について、こんな弱気になっちゃ。」

そう言って、唯は縁の両親が眠る墓に背を向ける。
その時だった。
強い風が突然、吹き荒れる。
思わず唯は、軽く身構えてしまう。
そして、ゆっくりと墓の方に視線を向ける。
まるで、唯を元気づけているように感じた。
錯覚かも知れないし、唯の勘違いかも知れない。
それでも、唯は縁の両親が元気づけているのだとそう思ってしまう。

「ほんと、駄目だわ、私。
 死んだ人に元気づけられるなんてね。」

唯は笑顔を浮かべてそう言った。
次は優しい風が唯を包み込む。

「ありがとう。」

唯はそう一言だけ言って、自分の家に戻って依然と座っている栄進に言った。

「決まったか?」

栄進には聞こえていないのに、唯の顔を見た栄進はそう聞いた。
長年、夫婦として過ごしてきた彼には分かったのだろう。
先程と違い、唯の表情は何かを決意した表情になっていた。

「あの子を・・・・・縁を見送る事にしたわ。」




次の日の朝。
縁は必要な物を纏め、早朝に家を出る。
村の入り口前では丁原が馬と一緒に待っていた。

「親には別れを言わないのか?」

見送りが居ない事に気がついた丁原はそう言った。

「はい。
 母さんは最後まで反対でしたから。」

「そうか。」

これ以上は自分が足を踏み入れてよい領域ではない事に気づいた丁原は、一言だけ告げる。
そのまま縁に背を向けて馬を連れて歩き出す。
縁もそれに続いて行こうとした時だった。

「縁!!」

その声を聞いて、縁はゆっくり振り返る。
そこには唯や栄進、村の人達が立っていた。

「必ず帰ってくるのよ!!
 あんたの家はここなんだからね!!」

唯は声を張ってそう言った。
他にも村の人達は思い思いを口にする。
それを聞いた縁は涙が浮かぶ。
しかし、今から旅立つのだ。
そんな泣き顔を見せるわけにはいかない。
腕で涙を拭いた、縁は大きく手を振って言う。

「ありがとう、みんな!!
 行ってくるよ!!!」

そう言って何度も手を振りながら、村を出て行く。
縁は皆が見えなくなるまで手を振り続けた。

「良い村と家族だな。」

ふと、丁原はそう言った。

「はい、最高の家族です。」

その言葉に縁は、はっきりと答えを返すのだった。







「母様、父様。
 兄様はどこに行ったのですか?」

愛紗は泣きそうな顔をして、近くにいる唯と栄進に話しかける。
唯は愛紗の視線に合わせるようにし
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