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我が剣は愛する者の為に
旅立ち
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たくないんだ。」

「だとしても駄目よ!」

俺の言葉を聞いても母さんは頑なに拒否する。
俺はどうすればいい?、と思った時、父さんが言う。

「縁、とりあえず寝なさい。
 母さんからは私から言っておくから。」

「栄進。」

「いいから。
 さぁ、縁も寝なさい。」

「・・・・・分かった。」

俺はまだ納得のいかない表情を浮かべながら、布団に寝転がり無理矢理寝るのだった。




〜interview in〜

「栄進。
 貴方は縁を旅に行かせるのは反対じゃないの?」

「確かに心配ではある。
 だが、あの子が決めた事だ。
 私はそれを尊重しようと思う。」

栄進の言葉に唯は目を見開く。
栄進の言葉が信じられないようだ。

「もし、あの子が旅先で死んでしまったらどうするの!?
 それに旅をするという事は今の世界を見て回るという事。
 そうなったら、あの子が何て言うか分かっているでしょう!!」

「この世界を変えたい。
 人々が苦しんでいるのなら、それを救いたい。
 縁はきっとそう言うだろうな。」

懐かしむような表情をしながら栄進は言った。

「本当に私達によく似ている。
 お前も私もそう胸に決意して、軍に入ったんだったな。」

「そうよ。
 でも、あの子はあの夫婦から授かった大事な息子なのよ!
 だから、私は絶対に認めないわよ!」

唯はそう言って、立ち上がると家を出て行った。
栄進はそれを黙って見送った。
背中の傷が痛み出すがそれを気にも留めずに、唯はある場所に向かっていた。
そこは縁の両親の眠っている墓に向かっていた。
唯はそこに着くと、墓に語りかける。

「あの子、旅に出るですって。
 貴方達の息子なのに、変な所は私に似ているわ。」

唯も苦しんでいる人がいる事を知り、親の反対を押し切って村を出て国に、王に仕えた。
しかし、自分のしている事が苦しんでいる人々を救えていない事に絶望した。
そこに栄進と出会い、彼と二人で国を出て此処に来た。
この村は賊の被害にあっていた。
それなのに近くの街はそれを助けようとしない。
唯はその村にいた賊を殺し、村を守った。
そのまま二人でこの村に住む事になった。

「貴方達なら何て言う?
 あの子を笑顔で送り出す?
 それとも反対する?
 私は縁には、戦いとは無縁の世界で生きて欲しかった。
 でも、あの子は誰言われた訳でもなく、自分から私に修行を申し出た。
 あの子はとてつもない才能を秘めた子よ。
 人を教えた事のない私でも分かった。
 丁原って人もそれが分かったんでしょうね。
 これも生まれた時に決まった天命なのかしら?」

答えを期待する訳でもなく唯はただ、自分の
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