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少年と女神の物語
『狂気に捕らわれた女神:全能なる天空神』編
第一話
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「何をしにって言われたら、アンタはこれを完成させてくること。ほら」

 そう言いながら、リズ姉は何かを放ってくる。
 それをつかみ、見てみると、槍の穂先のようだった。

「これは?」
聖槍(ロンギヌス)の穂先」
「んなもん投げるな!」

 罰当たりってレベルじゃねえぞ!仮にも聖遺物なのに!

「入れ物とかはないの?」
「リモコンが入ってる箱だよ!」
「なんで姉妹揃って貴重なものの扱いが悪いんだ!」

 リモコンを出して箱の中に穂先を入れる。
 この手の箱には封印の効果もあるので、基本入れておくべきなのだ。

「で、俺はこれを完成させるって言ってたけど、どうやって?」
「残りのパーツを封印してる神殿とかの類には母さんと父さんがめいれ・・・話をつけたらしいから、行って儀式でもすればおしまい」

 母さん、父さん・・・命令したのかよ・・・
 できる限り穏便にことを済ませようぜ?

「で、リズ姉と立夏はどうするんだ?」
「私はブリューナクを完成させる」
「私は、ゲイ・ボルグを」

 見事に神話の槍が揃ったな・・・しかし、ロンギヌスの穂先があんな扱いだったんだから・・・

「ちなみに、それのパーツはどこにある?後、箱は?」
「「そこ」」

 二人がさす場所には、文鎮代わりに使われている穂先と小物入れになっている木の箱が。

「やっぱりか!」
「うるさいぞ、武双」
「そうだよ!何かいいことでもあったの?」
「ねえよ!自分の家族に失望してるだけだよ!」

 そう言いながら、穂先と箱を取りしまっていく。

 あと、うちの親の子供にする基準だが、
@魔術の才能が見込まれる(父の希望)。
A美人、美少女になりそう(母の希望)。
 である。ゆえに女ばっかりの兄妹(姉弟)だ
 俺が男なのにここにいるのは、両親の友人の子で、その友人が死んだ再に引き取ったからだそうだ。魔術の才能を感じたらしく、父さんが母さんに頼むと、母さんも女だらけのところに男を放り込んで遊びたかったらしく(この話を聞いたとき、本気で殴りそうになった)、俺は神代の家族入りをした。

「はあ・・・了解。こんなものを持っていくなら、武器の類も必要かな?」
「念のため、準備しておいたほうがいいな」
「ちなみに、もう私達は準備し終わってるから後はソウ兄だけだよ〜」
「全く、帰ってくるのが遅いからこうなるのだ」
「生徒会の仕事があったんだよ!主に俺の妹と姉が起こした問題をもみ消すのが!」

 ちなみに、もみ消し作業を依頼してきたのは家族側ではなく学校の教師達だ。
 最初のころは対処していたのだがもうその気すら失せたらしい。
 余談だが、妹は立夏のことのみをさすが、姉は高等部に通っている二人を含め、三人だ。
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