暁 〜小説投稿サイト〜
IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第一章『セシリア・オルコット』
第十一話『夢』
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シュケースに仕舞い込んでいき、あっという間にすべてを収めてケースの蓋を閉じてしまった。
蓋を閉じたタイミングと同時に、俺は試合に集中するために頭の隅にやっていたことを思い出す。
「……一度、オルコットの様子を見てこようと思う。過労だって知ってるけど、やっぱり心配だからな」
心配なのもそうだが、何より言いたい放題言ったまんま出てきたのは、正直、後味が悪い。
「相変わらずのお人好しだね、君は……」
そう拓海が苦笑する。
「性分だ、どうにもならんさ」
拓海の言葉に、俺もまた苦笑しながら返した。
そのまま互いに別れた後、俺は着替えもそこそこに、オルコットのいる保健室へと足を運ぶのだった。
――――
なお――。
「……山田先生?」
拓海を一人にしないために、試合前までピットルームにいた山田先生が、何故か部屋の入り口にあるロッカーの陰に隠れていた。
しかもどういうわけか、顔を真っ赤にしながらあさっての方向を向き、ゴニョゴニョとなにごとかを呟いて……。
ポケットに乱暴にハンカチが突っ込まれているところを見ると、おそらくはトイレか何かだったのだろう。
だが何とも聞こえづらい彼女の小声でも、俺は“ある言葉”だけは聞き逃さなかった。
「……も、やっぱり…真行寺君って、相沢主任さんと…『そういう』……?!」
この時ほど、俺は零落白夜が使いたいと“心底”思ったことはなかった。
もうやだ…、この先生……。
――――
――コンコン
昼も過ぎて、徐々に日も傾きはじめてきた。
俺は保健室の前に立つと、とりあえずの作法として扉をノックする。
「はい」
すると、さっきまでこの部屋で聞いていたのと同じ声が帰ってきた。
「……真行寺だ、入るぞ」
ノックの応える声にそう告げると、俺は保健室に入る。
声の主、昼過ぎに俺と口ゲンカをやりやったセシリア・オルコットは、ベッドのリクライニングを上げてもらった状態で寝ていた。
ベッドを囲んでいた仕切用のカーテンは閉じられ、オルコットの姿だけが、保健室にあった。
……そういえば、保健医ってヤツはどこにっているのだろうか…?
まぁ、今はどうでもいいことだろう。
ベッドの上のオルコットはというと、どうやら俺が来たこと自体に驚いているらしい。
体を前に起こしながら、眼を丸くしてこっちを見ている。
「ちょっといいか?」
このままでも話は進まないので、とりあえず向こうの機嫌を伺ってみる。
「え……、あっ…、はい…どうぞ……」
ぎこちないが、面会の許可を得ることはできた。
とりあえず、俺は昼頃と同じようにパイプ椅子に腰かけ、少し前かがみになりながらオルコットと面と向かう。
……まずは、言うべきことから、だな……。
「……昼間は、変なこと言って悪かった。ゴメン」
少し深呼吸
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