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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第一章『セシリア・オルコット』
第十話『強き者(スルーズ)』
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戦は、『惨敗』という結果で終わった。
大見得を切って飛び出し、侮ってかかった相手に打ちのめされたのだ。
その結果こそ、彼女にとってすべてだった。
「全部終わったんです、何もありません……。
こんな結果では、クラスメイトの方達はわたくしを笑うでしょう……。
こんな無様な戦績が本国に通達されてしまえば、きっと代表候補生の資格を剥奪されるでしょう……。
きっと……、きっと…そうなります……。
そうなってしまえば、わたくしは……!」
目がしらに熱がこもり、視界がさらにぼやける。
堪えていたはずの大粒の涙が、堰を切ったかのように溢れだす。
喉の奥に押し込んでいたはずの嗚咽が、今にも口をこじ開けて飛び出そうとする。
それを押しこもうと、惨めな自分を隠そうと、両手で必死に顔を覆おう。
もうすぐで、彼女の中の何かが死に絶える――。
「だったら…………だ」
また、修夜が呟く。
「だったらもう一度戦えよ、セシリア・オルコットっ!!」
少年は叫んだ、今度ははっきりと、力強く。
「そんなもんかよ、そんな程度で折れちまうのかよ、違うだろっ!?」
まるで修夜を突き動かす“何か”が、その体を乗っ取ったかのようだった。
「今度は俺からだ、オルコット。俺がお前に挑戦状をたたきつけてやるさっ!
そして俺に勝ってみろよ、お前ならできるはずなんだっ!!」
最後の一線を抑え込もうと、しばし黙っていたセシリアだったが、彼女もそれを聞いて突き動かされた。
「……そんなことをしてっ、何になるんですかっ!!」
思わず、そう大声で叫ぶ。
「終わったんです、わたくしはっ!!
代表候補生でありながら、本国からBT兵器のデータ回収と代表枠獲得を条件付きで契約しておきながら、オルコットの家を…守ってみせると…お母様に…誓いながら……っ、無様に負けて終わったんですっ!!」
少女は勝利への執念の理由を、自分の背負っている荷物の名前を、いっさいがっさい吐き出した。
「こんなことでは……、こんなことでは……『天国のお母様』に……お顔向け……できません……!!」
少女はついに声を漏らしながら泣き崩れ、ただのか弱い女の子になり果てた。
その姿を、呆然と修夜は見ることしかできなかった。
だが、セシリアが漏らした言葉に驚きながらも、修夜は感じずにはいられないものがあった。
(……少し、似ている……)
修夜には、彼女のある言葉がどうしようもなく引っ掛かった。
どういういきさつかは、分からない。
だが皮肉なことに、今日という日に全力でぶつかりあった二人は、似た名前の荷物を背負った者同士だった。
だからこそ、修夜は改めて思いを口にしはじめる。
「だったらさ、なおさら諦めたりするのは、間違っているだろ……」
その声は、少し小さかった。
だが、セシリア
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