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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第一章『セシリア・オルコット』
第九話『戦いの決着』
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距離100m!》
ほぼまっすぐに、修夜は二度目の垂直下降でセシリアに突撃していった。
「そのまま突っ込んでくるのは、予測済みですわっ!」
言うや否や、セシリアはブルー・ティアーズのビットを展開し、迎撃の態勢に入る。
だが前半のような遠隔操作による包囲ではなく、両肩の前に二機ずつ砲門のように並べ、一斉にレーザーを発射する。
「なるほど、そうきたか。だが――!」
修夜はすぐさま体を捻りながら横へと逸れ、レーザーの射線から外れる。
しかし、避けたと思った瞬間に次々とレーザーの嵐が修夜に襲いかかる。
見ればセシリアは、その場からほとんど動かないまま体だけを修夜に向け、砲台と化したブルー・ティアーズのビットを巧みに操作してこちらを狙い撃ってきていた。
両者の距離、およそ60m。
ビット兵器は本来、自分から近づいて攻撃を加える。ゆえに射程は短く、修夜との感覚では当たるものも当たらない。それはセシリアも百も承知であり、これで修夜に勝てるとも思っていない。
(さぁ、これ以上近づけるものならやってみなさい!!)
その弾幕に対し、修夜は60m周囲を距離を縮めるための隙を探りながら旋回する。
(突きの雨の次は弾幕か、ホントに芸達者なヤツだ――!)
自分にできる戦法を考え出して躊躇なく選択する、そんなセシリアの発想力と度胸に修夜は素直に感心した。
(すげーよ、セシリア・オルコット……)
それが今の修夜の、率直な彼女への気持ちだ。
自らの師に地獄のシゴキを施され、ときに死ぬ気の実戦訓練もやらされた修夜。だからこそ、彼女のこの土壇場での強さが本物であることを察することが出来た。そのためには、血反吐を吐く努力も必要なことも知っている。
(だから受け取れ……)
修夜は、この戦況を壊すために動いた。
「いくぜ、コイツが俺の最善の戦略だああぁっ!!!」
叫ぶと同時に旋回しながら加速し、修夜はセシリアとの距離を詰める。
一方のシルフィも、主人が発する強い思考を感じ取り、自らミサイルランチャーを現出(セットアップ)する。
《もう、マスターって無茶し過ぎいぃ〜っ!!》
シルフィは盛大に愚痴ると同時に、狙いをセシリア“だけ”に定め、小型ミサイルをありったけばら撒きはじめる。
「その程度でっ――!!」
迫りくるミサイルの雨に対し、セシリアは飛び上がりつつビット砲台で片っ端からミサイルを撃ち落とす。
ミサイルは次々とビットに撃墜されて、セシリアの前方はに煙が何層にも立ちはじめる。
セシリアは考える、修夜の戦略の本命が何かを。
そして現状から、彼女の出した答えは――、
「破壊されたミサイルの煙を、煙幕の代わりにした陽動など、わたくしには子供だましですわ!!」
そう言い放つを直感的にスターライトを煙幕とは反対の、死角である自分の背中の上方に向ける
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