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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第一章『セシリア・オルコット』
第八話『蒼空舞う風獅子の翼・後編』
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“これをはるかに上回る『殺意』というのを直に体験した経験がある”ため、この程度では怖気づきはしない。だがその迫力は、そのときに感じたものに通じるものを含んでいた。
修夜はすぐさま腕力で押し返し、セシリアと距離を取る。
(コイツ、マジで俺を“叩きのめし”に来やがったか――!?)
修夜も、追い詰めればセシリアが本気で来ることぐらいは百も承知である。だが修夜が驚いるのは、その本気の出し方だった。
修夜の感覚としてのセシリアは、あくまで射撃とビットでの遠隔攻撃で相手を手玉に取る戦術家タイプであった。そして自分がエアリオル・ソニックを得てもなお、その戦法に拘り続けたことから格闘戦には持ちこませたくないものだと、つまり接近戦は得意ではないのだと算段を付けていた。
だが現実問題、セシリアは自分の前でレーザーブレードを展開して攻撃してきたばかりである。そして【武神】と呼ばれる白夜から地獄のシゴキを受けてきた修夜だからこそ、その一太刀が語ったところを知るに至った。
(そうか、そうだよな……。代表生候補ってことは、自分の十八番が通用しない相手もねじ伏せてきたってことだよな……!)
強い――。
率直に、修夜はそう感じた。
直後、セシリアは再びこちらに突進を仕掛けてくる。
当然のように避けようと考える瞬間、修夜はとっさに彼女の一太刀を受ける態勢に切り替えた。
再び散る鍔迫り合いの閃光、そしてすぐさま押し返す修夜。だがセシリアは今度は食らいつき、猛然と修夜に斬りかかる。
《マスター、どうしで避けなかったんだよ!?》
非難めいた声で、シルフィは修夜に当然の疑問を投げかける。
「そんなことしたら、ブルー・ティアーズの餌食だろうがバカっ!!」
そう、あの一瞬。セシリアは超至近距離で、ブルー・ティアーズのビットを自分の背後で起動させ、修夜の動きを止めに入っていた。
そのまま避ければ、ブルー・ティアーズのビットは飛ばずとも固定砲台と化して修夜を撃ち抜いていた。そうなれば至近距離から4発動時のビームをまともに食らい、即敗北もありえたのだ。そしてそうでなくとも、下手な下がり方をすればミサイルビットの洗礼によってやはり敗北か、済んでもシールドエネルギー切れ寸前の痛打。それを凌いでも、やはり固定砲台と化したビットでのビームか、レーザーブレードでの攻撃が待っている
ブルー・ティアーズの弱点を考えれば、普通は考えない戦い方である。だがセシリアは、ごく短時間、しかも自分から距離を離さない方法でビットを活用できる術を、勝利への執念からひねり出したのである。
ビットを遠隔操作で飛ばそうするから、集中力が偏って他の武器が使えない。なら“自分の近くで”ビーム砲として使えばいい。ブルー・ティアーズの弱点を逆手に取った、恐るべき発想の転換である。
迫りくる太刀筋の嵐を裁きながら、修
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