第12話「京都―初戦」
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を皿にした。
女性が恐る恐る穴を覗き込み、完全に床が抜けていることを確認。周囲にヒビの一つも入っていないのはそれほどの力が集約されているからだ。
「は、はは」と乾いた笑いを浮かべる。
「もう一度だけ聞く。近衛さんを解放するか、死ぬか。どちらか好きな――」
先程はタケルが女性の言葉を遮ったが、今度はタケルがその言葉をさえぎられることになった。
「えいー」
別の少女が2振りの刀を手に提げ、飛び込んできたのだ。タケルは一瞬だけZガンを向け、だが、ため息をついてそれを手放し、相手の剣筋も確認せずに無造作に拳を振るった。
少女の剣が閃き、タケルを切り裂いた。
タケルの拳が風を切り、少女の体を捉えた。
「きゃ〜〜〜」
と吹っ飛ぶ少女に、タケルはいつの間に構えたのか、左手からYガンを放った。
ダメージを受けた様子も見せず、少女は元気そうに立ち上がり「あれ〜?」と間の抜けた声を発した。
「ん〜、動けないですー」
彼女の体をレーザーが幾重にも巻き付き、その体を捕らえていた。地面にはアンカーが打ち込まれ、それをさらに固定する。
「2、3分後には消える、安心していい」
「やったー」
タケルの言葉に素直に喜ぶ少女剣士とは対照的に、符術を使う女性は頬を引きつらせた。
「今、斬られてませんでしたかえ?」
「斬られたが……」
ソレが何だ? と、またもやZガンを拾い上げ構える。だが、敵もさすがにプロ。既に作戦を考えていたらしい。
「ちょ、ちょっと停戦!!」
「何?」
両手をあげて、木乃香を地面に寝かせ、ゆっくりとタケルに近寄り、そしてぼそぼそと呟く。
「ウチのこと好きにしてかまへんから、今回だけは見逃してくれへんやろか?」
この通りや、とふくよかな体を押し付けてタケルに頼み込む。直立不動でその言葉を聞いていたタケルは、とりあえずその体を突き飛ばして「いやだ」
「ち、やっぱアカンか」と戦闘態勢に移ろうとする女性に、タケルはその目先にガンツソードの切っ先を突きつけていたのだった。
ネギたちはじっとタケルの戦いを見守っていたが、タケルが木乃香を取り返して降りてきたことに安堵の息と喜びの声をあげる。
「タケル先生!」
――ありがとうございます!
頭をさげて礼をしようとする刹那の言葉をぶったぎって、先にタケルが頭を下げた。
「すまない」
「「「「へ?」」」」
謝罪される意味がわからない4人、正確には3人と一匹に、タケルは言葉を続ける。
「少ししか力を貸さないといっていたのに……つい、その……かっとなった」
「「「「……」」」」
全員がタケルの言葉の意味を考えること数秒
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