暁 〜小説投稿サイト〜
IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第一章『セシリア・オルコット』
第六話『蒼空舞う風獅子の翼・前編』
[3/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
をつけて、マスター!?》
それどころか、シルフィの言う通り、背部に接続されたフィン・アーマー部分が分離、展開して弾雨の如く攻撃を仕掛けてくる。
「ややこしい武器名だな……! 了承!」
こちらはと言えば、射撃位置を予測して辛うじて避けてはいるものの、攻撃をする隙を見つけられないでいる。
「くそっ、シルフィ、武装は!?」
《アサルトライフル《ハウリング=アヘッド》と振動実体剣《ストライクファング》、防御用の自律ユニット《メインシェル》のみだよ!》
「ちっ、やっぱ初期装備だけかよ……!」
射撃武器があるだけでもマシと思うしかないか……! そう思い、俺はハウリング=アヘッド(アサルトライフル)メインシェル(自律ユニット)呼び出し(コール)、展開する。
「中距離射撃型のわたくしに、射撃装備で挑もうだなんて……笑止ですわ!」
「そういうのは勝負に勝ってから言うんだな、オルコット!」

――――

「修夜……」
ピット内のリアルタイムモニターに映る勝負に、箒はポツリと呟く。
試合は終始、セシリアが押す形で展開されている。対する修夜の方は、回避やユニットを使った防御で攻撃を凌いで射撃をしているが、相手に決定打を与えられずにいる。
「拓海……修夜の奴は、大丈夫なのか?」
「さてねぇ、シルフィのサポートがあっても勝率6:4と予測してたけど……正直、彼女の実力を見誤ってたよ」
箒の問いに、ノートPCのキーボードを叩きながら拓海は答える。
「流石は代表候補生に選ばれるだけの実力はあるって所だね。正直、今の状況じゃ修夜が負ける可能性のほうが高いくらいだけど……」
「あいつは負けないさ、拓海」
自分が使う専用機、【白式】の最適化処理(フィッティング)中の一夏が、拓海にそう言う。
「一夏?」
「あいつは勝ってくるって言ってたし、拓海や箒は覚えているはずだ。
 修夜があの『癖』を出したとき、どんな状況だろうと諦めずに、勝って来た事をさ」
笑いながら言葉を紡ぐ一夏を見て、箒は思い返す。出撃する前、修夜は確かに、自分達に拳を突き出した。
それは、自分達だけが知っている修夜の『癖』。あれは修夜にとっての願掛けであり、仲間に決意を伝え、拳を付き合わせる……ただそれだけで、彼はどんな勝負であろうと自信を持って挑んでいた。
相手が箒であろうと、一夏であろうと……常に諦めずに、勝負に挑んでいたのだ。そして、勝ってきた。
「ああ、そうだな」
目を閉じ、箒は自分に言い聞かせるように言葉を紡ぐ。一夏が信頼しているのに、自分が信じないでどうする。
(あいつは何時も、勝ってきた。負けられない勝負の時は、絶対に……)
だからこそ箒は、修夜が笑って帰ってくることを再び信じることにした。そんな二人の様子に、拓海は苦笑を浮かべていた。
(……やれ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ