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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第一章『セシリア・オルコット』
第五話『蒼空(そら)へ』
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を好む』とはよく言うが、好まさせてどーすると言いたい……。
とりあえずはまぁ、そんなわけで、実は千冬さんを前々から花嫁候補に入れてたんだよな……あの人は。
「……って言うか、どうして顔が真っ赤なんですか、織斑先生?」
「き、気にするな! 少し暑いと感じただけだ!」
「……はぁ。
それにしても、一夏。てっきりもう少し驚くと思ってたんだが?」
何気にシスコン疑惑があるんだよな、こいつ。
「いや、あの人ならそう考えててもおかしくないと思ってたからなぁ……」
ああ、なるほどね……。よくわかってらっしゃる……。
「それに、千冬姉だって案外修夜のこ……」
――スッパアンッ!
「いっ……〜!!」
一夏が何か言おうとしたのを千冬さんが叩いて止めた。つか、良い角度で入ったなぁ、今の……。
「余計な事は言うな! それと、織斑先生と呼べと言っているだろう!」
なんかさっきより顔を真っ赤にして千冬さんが言ってるし……何なんだ?
「そ、それより一体何の用で来られたんですか?」
このままでは事態に収拾がつかないと判断したのか、箒が慌てて用件に入る。
「あ、そ、それはですね……」
「専用機が来たって事だよ、二人のね」
山田先生が答えを返そうとしたとき、俺たちの後ろから別の声が聞こえた。
その声に振り返ると、ゆっくりとした足取りでこちらに近づく『少年』がいた。
その少年を、俺は知っている。何せ、幼い頃から師匠と共に過ごしてきた家族の一人なんだから。
「……遅かったな、【拓海】」
「ごめんごめん。思ったより時間が掛かったのと、さっきまでのやり取りが面白かったからつい、ね」
そう言って、拓海は笑みを浮かべている。
相沢拓海
(
あいざわ たくみ
)
――若干15にして、俺が所属するIS企業が運営する【
蒼羽技研
(
そうはぎけん
)
】の主任となった、俺の家族。
そんなこいつが直々に来たって事は、余程自分の目で見たいんだろうな……【アレ】を。
「一夏や箒も久しぶりだね。箒に至っては6年ぶり、かな?」
「た、拓海……お前なのか?」
突然の再会に、箒は少し戸惑っていた。まぁ、気持ちはわからんでもない。
ここIS学園はほぼ女学院と言っても良い。普通に考えて、俺と一夏と言う例外を除けば、職員や用務員でもない普通の男性が学園の施設の中を歩いているのは不自然極まりない筈だからな。
「うん、その拓海だね。問われる前に言っておくけど、ここに来たのは修夜のISを届けに来た事と、その実働データを取る為だよ」
「そ、そうなのか?」
「ああ。拓海はこう見えて、蒼羽技研の主任を任されてるんだ」
「しゅ、主任ですか!? こんなに若いのに……」
俺の発言に、山田先生が驚く。
「別に凄い事じゃないよ。
ただ、人より機械弄りが好きなだけで、束博士に比べれば
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