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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第一章『セシリア・オルコット』
第三話『部屋割り事件と活殺の心得』
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きの突きはなんだ!? 扉を貫通するって事は、下手をすれば人体に大きな傷を与えるって事だぞ!?
 そうなれば入院、最悪は死亡だってありえる! そうなったらお前は責任が取れるのか!?」
「……」
「ま、まぁ落ち着けよ、修夜。箒だって今は反省して……」
「一夏は黙ってろ!」
俺を宥めようとする一夏に一喝し、黙らせる。
「……箒、俺だってお前の荷物を没収することには申し訳ないと思う。だがな、一介の武芸者としてこいつは許せることじゃない。
 武術は、使う人間の心次第では暴力どころか殺人術にもなる。それを理解していて、一夏にそれを振るったのなら、お前は武芸者失格だ!」
「……っ!」
俺の言葉に、箒は拳を握り締めて頭を垂れる。
「……一晩頭を冷やせ。それまでは没収だ、異論は無いな?」
「……わかった」
辛うじて言葉を紡ぐ箒を一瞥し、俺は部屋を出る。
「おい、修夜!」
その後を、一夏が追ってくる。
「……なんだよ?」
「言い過ぎなんじゃないか!?」
「だが、箒はそう言われるだけの事をした」
俺は振り向かないままそう答えた。
「けど……!」
「お前がそう言いたくなる気持ちもわかる。だがな、武術の根源は殺人術なんだよ」

――剣は凶器。剣術は殺人術。人も護るために人を斬り、人を生かすために人を殺す。それが、剣術の真の理じゃよ。
――忘れるな、活人術と殺人術は表裏一体だと言う事を、の。

俺が、師匠に武術を教えてもらう際に、初めに教わった剣術の理。そして、全ての武術にある最初の心得。
「どんな理由があろうと、怒りに任せて剣を振るえばそれは殺人剣だ。
 武芸者として未熟といえばそれまでだろうが、だからと言って容認できるほど武術は甘くない」
「……」
俺の言葉に一夏は黙る。
「覚えておけ、一夏。どんな力にだって、人を生かす術もあれば殺す術もある。
 それはISだって例外じゃないし、お前が【誰か】を護りたいと願う想いもまた、人を殺す可能性を秘めている。
 その力や想いを、どちらに使うかは己の心次第だ」
そう言って、俺は振り返る。
「それと、本当に箒の事を思うならば、時にはその優しさを捨てろ。
 甘やかせば、それだけあいつはお前に甘え、自分の間違いに気付かないまま力を振るう。
 そうなれば、最悪……彼女は自分の間違いで、何かを失うだろうからな」
一夏を真っ直ぐに見据え、言葉を紡ぐ。
そう、彼女を真に思うのならば、あの時の一夏の優しさは邪魔にしかならない。
こいつは、誰にでも優しすぎる。それは確かに、こいつの美点であり長所だ。
だが、今回の場合は違う。こいつの優しさで俺が説教を止めてしまえば、箒は自分の間違いを完全に理解しないだろう。
俺とて、女の子を傷つけたり泣かせたりするのは好きじゃない。だけど、箒は武芸
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