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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
プロローグ

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「はぁ……はぁ……!」
少年は走っていた。
瓦礫の中を、足を縺れさせながらも懸命に……。
「――兄……――姉……――姉……!」
口を付いて出るのは、自分と親しかった人達の名。
「――姉……!」
そして、自分と共に笑っていた、慕っていた人の名。
無事と信じたかった。世界屈指の人達がいる、負けるわけないと信じたかった。
それでも消えぬ不安を胸に、少年は走り続けた。
だが……。
「……あ、あぁ…あああぁ……っ!?」

――瞳に映ったその光景は……。

「うああああぁぁぁぁぁああぁぁ――――!!!」

――親しい人達の、物言わぬ姿だった……。

――――

「っ!? ……夢、か」
呼吸を整え、頭を軽く振る。
もう過ぎた事……そう何度も自分に言い聞かせてきた。
なのに、未だにこの悪夢は俺を苦しめる。
何時になったら……。
(何時になったら俺は、この悪夢から逃れられる……)
そう自問自答するも、答えは出ない……。
「――〜、そろそろ時間だぞ〜?」
階下から聞こえる馴染みの声……。
ふと、時計を見れば、7時を少し過ぎていた。
「もうこんな時間か……」
そんな事を呟きつつ、ベットから降りた俺は、窓の外を見る。
窓の外は、穏やかで平和な光景で……俺が夢で見た光景が嘘だと言わんばかりに、輝いている。
「……さて、それじゃ行くか」
俺はそんな光景に背を向け、階下へと降りる。

――これから過ごす日常の日々に、少しだけ楽しさを感じながら……。
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