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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
七十九話:ピエール見参
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ブーメランを投げ放とうとした瞬間、ピエール(仮)が騎乗していたスライムからヒラリと飛び降り、武器を置いて跪きます。
「お待ち致しておりました、我が
主
(
あるじ
)
!」
あれ?
スライムナイトに知り合いは、まだ居ませんけど?
「ヘンリー。知り合い?」
「なわけ無いだろ。どう見ても、お前に言ってるだろ」
「その通り!拙者がお待ち申した我が主は、
貴女
(
あなた
)
様にござります!」
ヘンリーの言葉をすかさず肯定し、はっきりと私に向かって宣言する、ピエール(仮)。
あ、やっぱそうなの。
「えーと。特に、面識は無いと思うんだけど。なんで、私が主?」
「
然
(
さ
)
もありなん。貴女様におかれましては拙者のこと等、認識もしておられなかったことでござりましょう。しかし拙者は、十年前のあの日。スライムナイトとしての初陣を踏んだあの日に、まだ幼い貴女様に、薙ぎ払われ。未熟ながらに訓練で
培
(
つちか
)
った、誇りも
驕
(
おご
)
りもまとめて砕かれて、そのような狭小な事柄に囚われる己れの卑小な有り様と、幼き身に似合わぬ凄まじい気迫を以て目的に向かい邁進される貴女様の、気高くも美しい姿を引き較べて目を覚まし、誓ったのです。我が剣は、貴女の為に。貴女様が目的に向かわれる力となるべく、今日まで腕を磨いて参りました。どうぞ、拙者を。このピエールを、貴女様の臣下として、お連れくだされ」
セリフが長い。
長いが、わかった。
あの時、なんとかパパンに追い付こうと必死で進んでた時に、薙ぎ払った中に居たのか。
ピエールが。
急いでなければ経験値のために完全に殺りにいってただろうから、運が良かったというべきか、なるべくしてなったというべきか。
静かな熱い眼差しで私を見詰め、言葉を待つピエール。
微妙な顔のヘンリー。
いつも通りのスラリン。
全員の表情を見回して確認し、答えます。
「うん。いいよ。私は、ドーラ。よろしくね、ピエール」
元々、ピエールを求めてたわけだからね。
仲間になりたいと言ってくれて、しかも強いなら、他に言うことは無い。
「ドーラ様!有り難き幸せ!身命を賭して、お仕え致します!」
「いや、普通でいいから。変に命賭けたりしないで、普通に、仲間として。一緒に、頑張ろうね」
「有り難きお言葉!忠義の限りを尽くし、生涯お仕え致します!」
うん、固い。
固いね、とても!
まあ、いいか。
すぐに慣れるだろう、お互いに。
「早速ですが、ドーラ様。お仲間に、ご紹介頂けませぬか」
「そうだね。こっちの人がヘンリー、そっちのスライムはスラリン」
「ヘンリー殿に、スラリン殿ですな。旅仲間としては拙者が後輩に当たるゆえ、宜しくご指導ご鞭撻の程」
「……ああ。よろし
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