呪歌
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は私達の追っている者達を見逃したぞ!?」
「何言ってるのよエルザ。ナツは私が気絶させたし、ルーは寝ていたし、そんな話一言も聞いていないはずよ。そうでしょ?」
「おぅ」
「追ってたの?なら捕まえたのに」
「そうか、そうだったな・・・」
エルザの腕が降ろされる。
「さっきの列車に乗っているのだな。今すぐ追うぞ!」
「ナツ、ルー。そいつぁどんな特徴だった?」
「あんまり特徴無かったなぁ・・・」
「うん。平凡中の平凡、平均点の男って感じだった」
2人は顔を見合わせ考える。
「あ、そういえばナツ。あの人、変な笛持ってたよね?」
「そーいやそうだな。髑髏っぽい笛、三つ目がある髑髏だった」
「なんだそりゃ。趣味悪ィ奴だな」
その話を聞いていたティアが魔法書を閉じ、ため息をついた。
「そう・・・やっぱり、そうなのね・・・」
「やっぱり?どういう事だ?」
「その髑髏の笛がララバイって事よ」
全員が目を見開いて黙る。
「ティア・・・どういう意味か解らないから、ちゃんと説明して」
「仕方ないわね」
ルーの珍しく真剣な表情に、ティアが肩を竦める。
「禁忌魔法の1つに『呪殺』ってあるでしょう?対象者を呪い、死を与える黒魔法。でもララバイはもっと恐ろしいものよ。ナツとルーが見た笛は単なる呪殺のための道具に過ぎなかった。しかし、あの黒魔導士ゼレフが更なる魔笛へと進化させた」
一度に多くを喋ったからか、一息置く。
「その笛の音を聴いた者全てを呪殺する・・・『集団呪殺魔法』呪歌」
しばらく走り、ここはクヌギ駅。
「立ち入り禁止」のテープと大きな盾を持った軍隊達が、駅を封鎖していた。
「いきなり大鎌を持った男達が乗り込んできたんです!」
「ワシは知っとるぞ!あいつ等はこの辺にいる闇ギルドの者だ」
「女房より大切な商売道具を列車の中に置いてきちまったんだ」
当然、駅の前はざわついている。
「あいつ等・・・列車を乗っ取ったの!?」
「みたいだね」
「馬車や船なら解るけど列車って・・・」
「あい・・・レールの上しか走れないし、奪ってもそれほどのメリットないよね」
ルーシィとハッピーの会話の通り、列車にメリットはない。
どちらかといえば、魔導四輪を奪った方がメリットはあるだろう。
「ただしスピードはある」
「何かをしでかす為に、奴等は急がざるを得ないという事か?」
「なぜ脱ぐ」
屋根の上でグレイが服を脱ぎながら言う。
「それか・・・」
「ん?どうしたの?ティア」
「別に何でもないわ」
先ほどから手帳を見つめ何かを書き込んでいるティアがボソ
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