暁 〜小説投稿サイト〜
Element Magic Trinity
呪歌
[4/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
は私達の追っている者達を見逃したぞ!?」
「何言ってるのよエルザ。ナツは私が気絶させたし、ルーは寝ていたし、そんな話一言も聞いていないはずよ。そうでしょ?」
「おぅ」
「追ってたの?なら捕まえたのに」
「そうか、そうだったな・・・」

エルザの腕が降ろされる。

「さっきの列車に乗っているのだな。今すぐ追うぞ!」
「ナツ、ルー。そいつぁどんな特徴だった?」
「あんまり特徴無かったなぁ・・・」
「うん。平凡中の平凡、平均点の男って感じだった」

2人は顔を見合わせ考える。

「あ、そういえばナツ。あの人、変な笛持ってたよね?」
「そーいやそうだな。髑髏っぽい笛、三つ目がある髑髏だった」
「なんだそりゃ。趣味悪ィ奴だな」

その話を聞いていたティアが魔法書を閉じ、ため息をついた。

「そう・・・やっぱり、そうなのね・・・」
「やっぱり?どういう事だ?」
「その髑髏の笛がララバイって事よ」

全員が目を見開いて黙る。

「ティア・・・どういう意味か解らないから、ちゃんと説明して」
「仕方ないわね」

ルーの珍しく真剣な表情に、ティアが肩を竦める。

「禁忌魔法の1つに『呪殺』ってあるでしょう?対象者を呪い、死を与える黒魔法。でもララバイはもっと恐ろしいものよ。ナツとルーが見た笛は単なる呪殺のための道具に過ぎなかった。しかし、あの黒魔導士ゼレフが更なる魔笛へと進化させた」

一度に多くを喋ったからか、一息置く。

「その笛の音を聴いた者全てを呪殺する・・・『集団呪殺魔法』呪歌(ララバイ)






















しばらく走り、ここはクヌギ駅。
「立ち入り禁止」のテープと大きな盾を持った軍隊達が、駅を封鎖していた。

「いきなり大鎌を持った男達が乗り込んできたんです!」
「ワシは知っとるぞ!あいつ等はこの辺にいる闇ギルドの者だ」
「女房より大切な商売道具を列車の中に置いてきちまったんだ」

当然、駅の前はざわついている。

「あいつ等・・・列車を乗っ取ったの!?」
「みたいだね」
「馬車や船なら解るけど列車って・・・」
「あい・・・レールの上しか走れないし、奪ってもそれほどのメリットないよね」

ルーシィとハッピーの会話の通り、列車にメリットはない。
どちらかといえば、魔導四輪を奪った方がメリットはあるだろう。

「ただしスピードはある」
「何かをしでかす為に、奴等は急がざるを得ないという事か?」
「なぜ脱ぐ」

屋根の上でグレイが服を脱ぎながら言う。

「それか・・・」
「ん?どうしたの?ティア」
「別に何でもないわ」

先ほどから手帳を見つめ何かを書き込んでいるティアがボソ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ