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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
七十八話:揺れる夜と揺らがぬ朝
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「…………そうだった…………」
今度は目元を手で覆って、項垂れます。
そうか、寝惚けて忘れてたのか。
不意討ちも同然だったわけね、そりゃあ無理も無い。
しかしそうなると気になるのは、耐性は結局付いたのか付いてないのか。
「ヘンリー。ちゃんと眠れた?」
「……それなりに」
若干眠そうではあるが、酷いクマがあるということは無いし。
顔色ももう戻ってきてるし、嘘では無さそうだ。
やはり不意討ちでさえ無ければ、かなり大丈夫なのか。
「ラインハット。行けそう?」
「……ああ。行こう」
もうこれ以上、寄り道する場所は無いからね。
早く行って、国とデールくんと太后様を助けて。
それぞれの人生を、歩み始めよう。
朝食は食堂で取ることにヘンリーの同意が得られたので、食堂に下りて朝食を取っていると。
「昨晩は、ご迷惑をおかけしてすみませんでした。お蔭様で、助かりました」
宿屋のご主人が、挨拶してきました。
ご迷惑はわかるが、助かったってなんだ。
「そちらの方が痛め付けてくださってたお蔭で、犯人は無事に捕まりまして。もうご心配いりませんよ!」
え?
「あの。捕まったって、昨夜のうちにですか?」
「ええ、勿論。すぐに休まれたようなので、お伝えするのが遅くなってすみません」
本当だよ!
昨夜のうちに聞いてれば、添い寝とか全く必要無かったじゃん!
……まあ、これから出発までの安全が確約されただけでも、かなり良かったけど!
にこやかに去っていく宿の主人が十分に離れたところで、愚痴を吐き出します。
「起こさないようにとか、色々気を使ってくれたんだろうけど。早く教えてくれれば、ヘンリーもちゃんと寝られたのにね」
「……いや……いいよ、別に」
ヘンリーは特に文句も無いようで、不満を
顕
(
あらわ
)
にする私とはひどく温度差があります。
ヘンリーこそ、もっと怒っていいのに。
まあ、今さら言っても仕方ないことではあるし。
軽く流して、さっさと気分を切り替えたほうがいいか。
そんなわけで不愉快な存在のことはもう忘れることにして、身支度を整えて宿泊特典の安眠枕(ブドウの香り付き)もしっかり受け取り、アルカパの宿を発ってラインハットに向かいます。
スラリンを仲間にするなら、オラクルベリーでスライムの服を買っておくべきだった。
と思いながらもどうせ前衛に出す気は無いし、ルーラもまだ使えないのにわざわざ戻るほどでは無いので、どこぞで拾ったおなべのフタとブーメランを装備させて。
「この後、洞窟とか塔に入ると思うから。スラリンも連れてくから、少し戦いに慣れてもらうけど。スラリンはまだそんな
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