暁 〜小説投稿サイト〜
ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
七十八話:揺れる夜と揺らがぬ朝
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


「…………そうだった…………」

 今度は目元を手で覆って、項垂れます。

 そうか、寝惚けて忘れてたのか。
 不意討ちも同然だったわけね、そりゃあ無理も無い。

 しかしそうなると気になるのは、耐性は結局付いたのか付いてないのか。

「ヘンリー。ちゃんと眠れた?」
「……それなりに」

 若干眠そうではあるが、酷いクマがあるということは無いし。
 顔色ももう戻ってきてるし、嘘では無さそうだ。
 やはり不意討ちでさえ無ければ、かなり大丈夫なのか。

「ラインハット。行けそう?」
「……ああ。行こう」

 もうこれ以上、寄り道する場所は無いからね。
 早く行って、国とデールくんと太后様を助けて。
 それぞれの人生を、歩み始めよう。



 朝食は食堂で取ることにヘンリーの同意が得られたので、食堂に下りて朝食を取っていると。

「昨晩は、ご迷惑をおかけしてすみませんでした。お蔭様で、助かりました」

 宿屋のご主人が、挨拶してきました。
 ご迷惑はわかるが、助かったってなんだ。

「そちらの方が痛め付けてくださってたお蔭で、犯人は無事に捕まりまして。もうご心配いりませんよ!」

 え?

「あの。捕まったって、昨夜のうちにですか?」
「ええ、勿論。すぐに休まれたようなので、お伝えするのが遅くなってすみません」

 本当だよ!
 昨夜のうちに聞いてれば、添い寝とか全く必要無かったじゃん!

 ……まあ、これから出発までの安全が確約されただけでも、かなり良かったけど!

 にこやかに去っていく宿の主人が十分に離れたところで、愚痴を吐き出します。

「起こさないようにとか、色々気を使ってくれたんだろうけど。早く教えてくれれば、ヘンリーもちゃんと寝られたのにね」
「……いや……いいよ、別に」

 ヘンリーは特に文句も無いようで、不満を(あらわ)にする私とはひどく温度差があります。
 ヘンリーこそ、もっと怒っていいのに。

 まあ、今さら言っても仕方ないことではあるし。
 軽く流して、さっさと気分を切り替えたほうがいいか。



 そんなわけで不愉快な存在のことはもう忘れることにして、身支度を整えて宿泊特典の安眠枕(ブドウの香り付き)もしっかり受け取り、アルカパの宿を発ってラインハットに向かいます。

 スラリンを仲間にするなら、オラクルベリーでスライムの服を買っておくべきだった。
 と思いながらもどうせ前衛に出す気は無いし、ルーラもまだ使えないのにわざわざ戻るほどでは無いので、どこぞで拾ったおなべのフタとブーメランを装備させて。

「この後、洞窟とか塔に入ると思うから。スラリンも連れてくから、少し戦いに慣れてもらうけど。スラリンはまだそんな
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ