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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第149話】
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気恥ずかしさからか、頬が紅く染まったムラクモに笑顔で返すと共に、勢いよくドアの中に入り、光の奔流に身を任せ――流れのまま向かう。

 そして、視界が真っ白な閃光に覆われたその瞬間に、時が再び動き出す様な感覚を全身に感じた――。




――福音との交戦空域――


 眩い閃光が辺り一帯を包んだその一瞬だった。


『――ァアアッ!?』


 感情の無い筈の機械音声が、明らかに悲鳴を上げ、村雲・弍式を包んでいた四枚の翼が四散――弾け飛ぶ。

 翼を失った福音は、海面に落ちていくその寸前で、新たな翼が生えてくる。

 感情の無い筈の機械が、まるで怯えるように上を見上げた。

 そこには、眩くも優しい、淡い緑の光を放つエネルギー球体があった。

 辺り一帯を優しく包み込む緑の光――その場に居た全員が、何が起きたのかもわからず、ただただ静観するのみだった。

 そして、球体の中心から男子の声が聞こえてくる。


「……残念だったな、福音?後一息で俺を倒せたかもしれなかったのにな」


 そんな男子の声に、感情の無い筈の機械が反応――新たに生えた四枚の翼から一斉に放たれる線状の光の粒子。

 粒子収束率の高いそのビームが、緑の光を放つ球体に迫る――だが、その球体が粒子を屈折させたのか、当たる寸前で明後日の方向へと無数のビームが夕焼けの空へと消えていく。

 その攻撃を屈折させた事で役目を終えたのか、急速に緑の光を放つ球体は粒子となり、その球体の中に居た機体を覆い、優しく包む。

 そして、誰かが呟くような――そんな声で、その機体の名と、搭乗者の名前を呼んだ。


「……村雲・弍式……【第二形態・森羅】……。――ヒルトっ……」

「あぁ。俺だぜ!」


 振り向き、屈託の無い笑顔を見せる男子が纏ったのは、第二形態移行した村雲・弍式【森羅】を纏ったヒルトだった……。
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