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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第149話】
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に言い、それに手を伸ばす。
だが、途中でぴたりと俺は手を止めた。
「……やっぱり、いい」
「……どうして?これがあれば福音を倒せるよ?」
そのまま手を引っ込め、真っ直ぐとムラクモの目を見ながら口を開く。
「……確かに、俺は無力な自分に嫌悪して、力を望んだよ。――でもな、俺は【福音を倒す力】が欲しい訳じゃないんだ。……弱い俺がこんな事言うのは、バカな発言だけど。【皆を守れ、人を助けられる力】が欲しかったんだよ」
「……この力も、皆を助けられるよ?」
「……いや、それだと【福音を倒す】だろ?力は力かもしれないが――俺は、福音を――暴走した福音のパイロットを助けたい。……まあ俺のエゴだけどな、ははっ」
そんな俺を見たムラクモは、柔らかな笑みを浮かべて口を開いた。
「良かった。貴方がそう言ってくれて……もし、受け取っていたら、また嫌いになってたもの」
言って、掌の大きなエネルギーの塊が四散、粒子となって俺の身体を纏うように覆うと空へと消えていく……。
「はい、じゃあヒルトが【本当に望んだ力】はこれよ」
さっきと同じように掌からエネルギーの塊が現れる。
だがさっきとは違い、淡い優しい緑の光を放ち、辺りを優しく包む。
「……さっきとは違い、優しい光だな。――時折、この光を放ってたよな――チョーカーから」
「うん。――これは人を傷付ける力じゃない。――って、まあ使い方を誤れば傷付けちゃうかもしれないけど――ヒルトなら大丈夫。……だから受け取って?――【皆を助ける力】を」
言って差し出すムラクモ。
その掌を重ねる様に俺は右手でエネルギーの塊に触れると共に、その塊が右手から全身を包むように俺を覆った。
「……何か、変な感じだな」
「ふふっ。慣れたらそう感じなくなるわよ?――じゃあヒルト、行って皆を助けてあげて?」
そう言うと共に、ムラクモの横にエネルギー粒子が集まり、それがドアの形に形成された。
「……なんだ、結局出口はムラクモが用意しないといけなかったのか」
「うん。一応私が招いたからね?」
ドアを開けると、その先には光の奔流が流れていた。
ゆっくり歩を進め、ドアの前に立つと俺はムラクモを再度見た。
一瞬ビクッと反応するムラクモだが、直ぐ様頬を赤らめて視線を逸らした。
「……ムラクモ、ありがとうな。いつも俺を守ってくれて」
「……し、仕方ないじゃない。私は貴方のパートナーだもん」
「……そっか。――ムラクモ、またな?近いうちに、また会おうぜ」
「……!!――ば、バカ……。――うん、また……ね?」
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