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真・恋姫無双 矛盾の真実 最強の矛と無敵の盾
崑崙の章
第23話 「ご主人様を……一緒に守ろ?」
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  ―― other side 漢中 ――




 (理想)

「おかえりなさいませ、盾二様。長旅お疲れ様でした」
「お待ちしておりました、盾二様。お元気そうで何よりです」
「ありがとう、朱里、雛里。君たちのおかげで俺は目的を達することが出来た。礼を言う」
「そんなことありません。全ては盾二様の薫陶のお陰です」
「私達は、盾二様の指示なされた通りに事を運んだだけです。事の全ての功は盾二様にあります」
「ありがとう、朱里、雛里……俺は最高の臣を持って、幸せだよ」
「「盾二様……」」




 (現実)

「ひっく……ぐじゅ……じゅ、じゅんじさまぁ……おあ、おあいしたか……ふぇぇぇぇぇぇぇ!」
「ふぐっ……ぐじゅ……おげん、お元気、そうで……ぐじゅ……うぇぇぇぇぇぇぇ……」
「…………………………すいませんでした」

 盾二の姿を見た瞬間、泣きだした漢中の宰相二人を前に、土下座して頭を下げる天の御遣い。
 その姿に、周囲の目は点になっていた。

 関羽と馬正は頭を抱え、張飛は苦笑しながら頭を掻いている。
 趙雲は『幼女を泣かせるとは!』と一人劇画調の顔でツッコミ待ちだし、桃香はなぜか二人の泣き声に感化されて涙をにじませていた。

 簡雍を始め、文官一同は唖然として見守り、元義勇軍にいた内城の警備担当の警官たちは慣れている光景に見て見ぬふりをしている。 

 およそ、国の中枢である謁見室とは思えぬ状況が繰り広げられた半刻後。

 文官や警備の警官を退室させ、梁州の重鎮だけを残した謁見室内。
 ようやく落ち着いた二人の宰相を交えて、盾二が口を開いた。

「……まあ、本当に時間をかけてすまなかった。正直いって、俺もこれほど帰還が遅くなるとは思ってなかったんだけど、いろいろあってね……」
「ちーん! ぐじゅ……いえ、盾二様がご無事でしたら、私達はなにも……」
「ひっく……ひっく……」
「……マジでごめん」
「これこれふたりとも。いい加減泣き止め。話が進まぬではないか」
「そういう愛紗も泣いておったではないか」
「せ、星っ! あれはだな!」
「しかも抱きしめられて顔を真っ赤にしての大暴走……いやはや、乙女な関雲長など、この趙子龍、初めて見たものだった」
「「抱きしめられた!?」」
「そ、そこに反応するな、朱里、雛里! わ、私は……」
「にゃー……話が進まないのだ」
「だねぇ……」

 基本的に女は姦しい。
 そしてその姦しい女が集まると、建設的な話は脱線しやすいのである。
 それは女性にとっては、痴話話こそ自分の精神を安定させるための方法であると本能でわかっているためだ。

 だが、そこに男が混じるとどうなるか。
 こうなるのである。

「う
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