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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
七十七話:アルカパの宿で
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守番しててくれたスラリンに出迎えられ、ベッドに降ろされます。
「……帰ってきたとこだけど。もう、夕食の時間だね。食堂に」
「部屋に運んで貰おう」
「……大丈夫だよ」
「ああいうのは、思い詰めると何するかわかんねえだろ。念のためだよ」
うーん。
まあ、どうしても食堂に行きたいというわけでも無いし。
何かあったらまたヘンリーに迷惑かけるわけだから、ここは従うべきか。
ということで、部屋に運んで貰った夕食を、二人と一匹で取り。
美味しいけどビアンカママンの料理とは全く違うことに、改めて彼らの不在をしみじみと感じ。
またヘンリーに付き添われて、お風呂に向かいます。
「スラリンは」
「一緒に見張ってくれるってよ」
『スラリン!みはる!』
ホントに言ってるし。
何で、わかるんだ。
そして私は、いつになったらスラリンとお風呂に入れるんだ。
と、微妙に不満を感じながらも、スラリンも私を守ると張り切ってくれてるのはかなり嬉しいので、そのまま一人でお風呂に入り。
体を洗って湯舟に浸かり一息吐いたところで、外から騒がしい声と物音が聞こえてきます。
なんか、ヘンリーともう一人が怒鳴り合ってて、スラリンも威嚇してるような。
そして武力を以て解決が図られた後に、バタバタと逃げ出す足音が聞こえたような。
……まさか、本当に、来た!?
…………怖い!
変態ストーカー、マジで怖い!!
外が完全に静かになったところで、何となく物音を立てないように湯舟を出て、体の手入れや髪を乾かすのもそこそこに、服を着て廊下の様子をこっそりと窺います。
何事も無かったような顔をしたヘンリーと、若干興奮気味のスラリンがそこにいて、すぐにヘンリーに気付かれました。
気配消してたのに、何故だ。
「ドーラ。早いな」
「……うん。だって」
「大丈夫だ。もう、追い払った」
やっぱり、ヤツか!
「……髪、濡れてるな」
「……」
「……早く戻ろう。風邪引くぞ」
「……うん」
しがみつくという感じでも無く、何となくヘンリーの上着の裾に掴まってみたら、すぐに肩を抱かれます。
この場合、あんまり手が塞がるのは望ましく無いのでは。
「大丈夫だ。あんなヤツ、片手でも」
負けるとは思って無いけど。
「いいから、行くぞ」
これでいいと思ってるわけじゃないのに、振り払えない。
そんなこともありながら、特に何と言うことも無く部屋に帰り着いて、ふたりにお礼を言います。
「ありがと、ヘンリー、スラリン。もう大丈夫だから。ふたりも、お風呂行ってきて」
「いやいいよ、今日は。例の魔法、かけてくれれば」
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