暁 〜小説投稿サイト〜
とある碧空の暴風族(ストームライダー)
時宮遭遇
Trick48_そんな血筋だと知ったのは1年ほど前です
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「佐天さんの注目すべき点は、能力の伸びしろにあります。
 むしろ現段階では、相手にしては眼中にないでしょう。

 ですから、この合宿中に初級から中級になってもらう予定です」

「で、具体的にはどうするの? あなたは参加できないでしょう?」

「ええ。それを踏まえて、クロムさんにお願いがあります。
 黒妻さんと佐天さんに、これを渡して下さい」

信乃がテーブルの上に置いたのは黒、白が1つずつのA・T用ケースだった。
そして1台のノート型PC。

「これは?」

「中級に上がるために通るべき『道』です。
 A・Tは2人に合わせて調律(チューニング)は完了しています。

 そしてPCですが、これに2人の師匠になってもらいます」

「と、言う事はPCに入っているのね?」

「ええ、位置外に協力をしてもらい、『あの人』をPCに入ってもらいました。
 私よりも的確な指示を、指導をしてもらえるはずです」

「・・・・このPC、四神一鏡(うち)で中身を調べてもいいかしら」

「ん〜、構いませんが、骨折り損になると思います。
 ハードもソフトも作成者は位置外水、彼女です。
 学園都市“程度”では解析は出来ないと思いますよ」

「あー、やっぱりそうか。それじゃ諦めることにするわ」

「意外に引き際が良いんですね」

「確かに欲しい技術と『人』だけど、位置外に勝ているとは思っていないし。
 あの子、“樹形図の設計者”(ツリーダイアグラム)の製作者の子供でしょ、無理よ。

 それに信乃、あなただって調べてほしいとは思っていないでしょ?」

「ええ、まぁそうですね。『あの人』は私の師匠でもありますし、
 手を出されたくは無いですね」

「だからよ。あなたの好感度を上げておけば、後でいいことがあるしね」

茶目っけのウインクをしながら、冷めた紅茶の口に含んで氏神クロムは笑った。

「さて、陽も傾いてきましたし、御いとませてもらいます」

「下に車を回すわ。乗っていきなさい」

「ありがたい言葉ですが今日は遠慮しておきます。

 リハビリも兼ねて歩いて帰りますが、家に着いたとき美雪に車を見られたら大変ですから。
 クロムさんが怪我人を呼んだってことで怒り狂いますよ。

 あくまで、今日は私が勝手に家を出て散歩したに過ぎません」

信乃はシニカルに笑い、部屋の扉へと向かう。
松葉杖を使い、ゆっくりと少し不安定な足取りで進む。

「怪我しているのに悪かったわね」

「そう思うなら呼ばないで下さい」

「それは無理よ。これでも四神一鏡のトップなのよ?
 あなたは特殊とはいえ傭兵なの。傭兵の怪我なんて気にしてられないわ」

クロムは少し悲しそうな顔をしてい
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